神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

角田光代「さがしもの」を読んで

友人から借りた本が面白かった。「八日目の蝉」はNHKドラマで見たけれど、これまで角田光代の作品を読んだことはなかった。そういえばこれまで不思議と女性作家の本はあまり読んでいないことに気が付いた。女性に関心がないわけでもなく、女性から見た世界に…

「沙高樓綺譚」感想

久しぶりに浅田次郎を読んだ。5編から成る短編集。南青山にある秘密サロン「沙高樓」に集まる世の高みに登りつめた者たちが、胸に秘めてきた驚愕の経験を語りあう。主人からの毎回の口上「語られます方は、誇張や飾りを申されますな。お聞きになった方は、夢…

付録つきマガジンは蟻地獄か

デアゴスティーニや小学館に代表される付録つきのマガジンが流行っている。付録にはCDやDVDや工作セットの部品(機関車、自動車など)が付いている。マガジンよりも付録目当てで買うのが普通なので、主役は勿論付録である。通常は隔週刊で発行され、初…

「もののたはむれ」を読んで 

松浦寿輝の処女作である「もののたはむれ」(文春文庫)を読んでみた。彼の作品を読んだのは初めてのことだった。東京大学文学部の教授で評論家・詩人でもある芥川賞作家という珍しい経歴、その小説の内容が「なにげない日常の延長線上に広がる、この世なら…

実家で大掃除

昨日は小金井の実家に妻と大掃除に行ってきた。車を持っていないので、ニコニコレンタカーでホンダのキャパを借りた。このレンタカー会社は最近全国中に拠点を開拓し、躍進している会社だ。主にガソリンスタンドを店舗とし、走行距離の少ない中古車をとても…

都心の知の拠点復活

昨晩(11/16)は敗戦のショックで10:30には寝てしまったので、今朝は5:30には目が覚めた。福岡ヤフードームの敵地で2連勝もしたのだから、ホームのナゴヤドームであっさり優勝を決めてしまうのかと思ったのが甘かった。なんと連敗で2勝2敗のイーブンになってし…

マイケル・ルイスの「マネー・ボール」

マイケル・ルイスの「マネー・ボール」が面白い。 連日、夢中になり読んでいる。MLBのオークランド・アスレチックスでゼネラル・マネジャーを務め、弱小貧乏球団をプレーオフに常に進出する強い球団に変えた、ビリー・ビーンを中心とした物語だ(ルイスはひ…

デジタル版「もしドラ」を読む

今は6/30の早朝5:30である。今日で今年も半分を終える。早いものである。加速度をつけて、月日が過ぎていくようだ。こんなことで半年、一年が過ぎていくようだと60歳、70歳を迎えるのもあっという間だ。お迎えが来るのもあっという間かもしれない。一生は短…

「「狂い」のすすめ」のすすめ

朝から激しい雨が降っている。いまは6/11(土)の早朝、今朝も5時から起きている。すっかり早起きが習慣化した。朝起きると、先ずは台所に行き、生姜をすりおろし、お湯を注ぎ、生姜汁として飲んでいる。体が温まっていいようだ。こうして一日の始動の準備…

「博士の愛した数式」を読んで

以前、この作者へのインタビュー記事を従兄が日経に書いていて、その清楚な姿と言動に一度作品を読みたいと思っていた。処に友人がたまたま代表作である「博士の愛した数式」の単行本をプレゼントしてくれたのである。数学と小説、これをどう絡めるのか。80…

幸田真音「代行返上」

土曜日は小金井の実家に行き、昨日は娘の卒業式と、2日間慌ただしく出歩いていたが、今日春分の日は朝から雨が降っており、全く外出をしなかった。福島原発は放水活動が続いており、まずは安定感が出てきたこと、余震は続いているが、少しは小康状態を保って…

「ぼくのボールが君に届けば」

先日読んだ伊集院静の「ぼくのボールが君に届けば」から、気にいったフレーズを抜き書きしてみました。近頃の私はどうも野球の世界からなかなか抜けられないようです。この作品は9つの短編集から構成されており、どれも野球をモチーフにしながら、いろんな…

「東京奇譚集」を読んで

村上春樹の「東京奇譚集」を読み終わった。と言っても、5編の短編集なので通勤電車の往復で、少しずつ読み進んだ。村上春樹はまだ「ノルウェイの森」に続いて2作目なので、まだよくわかったわけではないが、読みやすい、それぞれ惹き付けられる話である。…

清水佑三「20代で読むヒト学ココロ学」

あることをきっかけに、恩人でもある故清水佑三氏の本を再読している。先般の最終講義で、清水氏に触れたこと、彼の著作について友人との話題に上ったこと、からまた読み直そうと思った。改めて読み返してみると、彼の本は叡智の宝庫であり、感銘することし…

「納棺夫日記」を読んで

友人から本をいただいた。青木新門氏の「納棺夫日記」である。映画「おくりびと」が生まれる元になった本と言えば分り易いだろう。さはありながら、私自身は映画「おくりびと」はまだ観ていない。始めに読んでくれと渡された時はピンとこなかったのだが、読…

暫く村上春樹に付き合ってみるか

「ノルウェイの森」の結末にはガッカリした俺だったが、今日ブックオフで「海辺のカフカ」上下巻と「東京奇譚集」の村上春樹作品を単行本で、懲りずに買ったのだった。各200円であった。なんと、村上春樹の文庫本は105円コーナーには1冊もないのだ。片や同…

 本に出会うも人に出会うも運命か

今日は何を書こうかと迷うことが多くなってきた。世界ではいろいろなことが起きている。中国との尖閣列島紛争はもはやあっという間に古くもなった話題だが、北朝鮮のヨンピョン島攻撃、アイルランド危機、そこから連鎖していくかもしれないポルトガル、スペ…

村上春樹「ノルウェイの森」に今更嵌まる

「ノルウェイの森」を読み始めた。言わずと知れた村上春樹の代表作の一つだ。何故だか、文庫の上巻が家にあった。いつ、どこで買ったのかも思い出せなかった。通勤の行き帰りに読んでいたが、たちまち村上ワールドに嵌まってしまったようだ。ノーベル文学賞…

浅田次郎「ハッピー・リタイアメント」

抱えていた大型の案件がある事情で打ち切りとなってしまったので、急にポッカリと暇になってしまった。心の疲労も立て直すべく、こういうときは浅田次郎の面白本に限ると思い、「ハッピー・リタイアメント」を読み始めた。小説や映画はこうした効用を持って…

凄い若者

水嶋ヒロが騒がれている。9/20に所属事務所「研音」を退社し、執筆活動に専念すると発表されたばかりだった。芸能界引退・作家に転身とも報じられたが、本人の意思は俳優業もやりつつ執筆活動もやっていくというのが正しいようだ。え〜、作家になるのか。そ…

ファーストリーディングかスローリ−ディングか

平野啓一郎の「本の読み方 スローリーディングの実践」(PHP新書)を面白く読んでいる。このタイトルを見て、生意気な娘が「プッ!親父〜、今頃、本の読み方かよ〜?」と馬鹿にする。「そう、お前なんかが、まだまだ到達できない読書方法について、日々、俺…

漫画本のまとめ読み

今日は風邪の具合も良くなく、ジムも休み、まったく外に出ることがなく、一日家でおとなしくしていた。妻からだいぶ前からうるさく言われていたビッグコミックオリジナルが1年分以上溜っており、それを処分すべく読み出した。 同誌は相変わらず買い続けてい…

ブックオフで宝探し

昨日から大学院の後期の授業が始まったが、帰り道で焼き鳥を買った後に、また早稲田のブックオフに寄った。この日は105円商品以外はCDも書籍も全品半額というSaleだった。ラッキー!時々こういった在庫Saleを行なう。そうでもしないと棚が空かなくなってしま…

浅田次郎「あやしうらめしあなかなし」

今日はこれから東海道線特急「踊り子号」に乗って、伊豆熱川へ旅に出る。中学野球部監督のF先生が70歳を迎えられたのを記念して、先生ご夫妻と犬2匹をご招待し、全国からメンバーが集結する。 さて、旅の前に本のご紹介。旅には1冊の文庫本が似合う。浅田次…

「ダウンタウンに時は流れて」

図書館からの催促の電話に背中を押されるようにして、借りていた多田富雄著「ダウンタウンに時は流れて」を一気に読み切った。新聞に紹介されていた書評を読み、早速予約していた本だった。にもかかわらず、次から次から先に読まねばならない本が現れ、後回…

「遥かな町へ」熟読

昨晩はジムに寄ってきたので、ブログは書かずに寝ようと思っていた。酒を飲みながら、先般買った谷口ジロー「遥かな町へ」を読みだした。読み進むにつれ惹き込まれていった。止めることが出来ず、結局、最後まで読んでしまったのだが、既に1:40AMだった。谷…

アマゾンに感激

激しい暑さである。お盆を過ぎたというのにこの暑さは何だ。今日、練馬では38.2℃もあった。大手町の路上で気温を測ると40℃を超えているらしい。いや、50度近いかもしれない。都内で熱中症での死亡は100人を超えてしまった。いずれにしても異常である。我々が…

「差別と日本人」

昨晩も睡魔に勝てず、10時過ぎには寝てしまったので、朝早く起きて書いている。Wカップは絶好調ドイツにスペインが1−0で勝ち、初の決勝進出を決めたようだ。オランダとスペインでの決勝戦、どちらが勝っても初優勝となる。起きた時には既に試合は終わり、ダ…

上原善広著「日本の路地を旅する」

「日本の路地を旅する」(上原善広著、文芸春秋)を読む。タイトルの路地とは被差別部落のことである。かつて作家の中上健次がこう呼んだらしい。著者の上原善広は大阪の部落出身であり、自らのルーツを辿る旅でもあったのだろう、北は北海道から佐渡、対馬…

湊かなえ「告白」を読んで

先日購入した小説推理新人賞受賞で本屋大賞受賞作、湊かなえ「告白」を読了した。女性教師のホームルームでの衝撃の告白からスタートする小説である。「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです。」最近、この6/5から…