神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

「城山三郎展」-昭和の旅人-

macky-jun2010-05-01

 「城山三郎展」のチケットを先日ブラッと訪ねて行ったS先輩がくれたのだった。S先輩とはこのブログでも度々登場する城山三郎氏の息子杉浦有一さんである。ドラマ「そうか、もう君はいないのか」では仲間由紀恵と噂になった田中哲司が有一さん役をやっていた。だけど、家族が田村正和富司純子檀れいという俳優でも美男美女揃いなのに、何で有一さんだけ田中哲司なんだろう?と笑いながら話したこともあった。
 チケットは2枚あったので、読書クラブ同人で城山三郎愛読者でもあるMilkyさんを誘うことにした。縁というものは面白く、彼女の母上は城山三郎氏の妹さんとお友達であり、4/29の(娘の)井上紀子さん講演会のある日に既に行かれたとのこと。ずっと男子校だったS先輩はまた悔しがるだろうが、自らきっかけを作ってくれました。
 快晴、緑の風爽やかに連休初日がスタートした。横浜駅みなとみらい線改札口で待ち合わせ、元町・中華街駅に。既に2004/2に開業していたが、乗車するのは初めてだった。元町・中華街駅は吹き抜けでドーンと広く、横浜の昔からの写真が壁にデザインされており、異国情緒を感じさせてくれる。
 中華街に来るのは実に久しぶり、何年振りかは記憶がない。ネットを見て評判の良かった萬珍楼點心舗という飲茶料理の美味しい店を予約しておいた。高級感のある建物と天井の高い部屋は感じがいい。特選点心コース三千円を頼んだが、帆立入り五目スープから始まり、数々(海老蒸し、五目蒸し、貝柱)の餃子・シュウマイ、海老春巻、竹の子ゆば巻き、野菜の香り炒め、牛キクラゲチャーハン、そしてデザートにマンゴプディングが出てきた。どれも美味しく、外れがない。料理・店のたたずまい・接客・サービス水準の高い店だと思った。Milkyさんとの積もり積もった話もあり、2時間もゆったりと会食をしたのだった。それを許してくれる、居心地のいい店だった。
 満腹になった我々は「城山三郎展」の会場である県立神奈川近代文学館のある港の見える丘公園に向かった。公園の急登がきつかったが、直ぐに横浜港を見渡せる丘の上に立った。近代文学館は公園の端っこの霧笛橋を渡った所にあった。常設展示場を覗き、「城山三郎展」に。城山三郎の生誕から生涯を彼の作品を交え、紹介している。予想していたよりもスケールの大きい展示会だった。その位、名作をたくさん世に出してきたということだろう。改めてまとめて見ると、こんなによくも書かれたなと仕事量の多さに驚いてしまう。
 しかも、経済小説というジャンルは彼が築いたものであるが、政治や社会や歴史のジャンルにも作品は多い。この展示会では、時代と人間を巡る旅を続けた作家として、城山三郎を「昭和の旅人」として紹介をしている。気骨ある日本人の姿を描き続けた。彼こそがまさに気骨ある日本人の代表的な人であったと思う。結局、2時間近くかけてじっくり丁寧に見て回った。途中、何度か感動から目頭が熱くなる思いがした。この日、購入した目録は内容がぎっしり詰まった充実したものだ。
 この後、ランドマークプラザFM横浜主催のDEPAPEPEのライブを聴いて、桜木町の逆側にある昔からある野毛の飲み屋街の一角「叶家」という居酒屋で、この日の感想を話し合いながら飲んだのだった。あまりにも偉大な父親を持つと、有一さんもつらいだろうなと思った。