相田みつを「厳冬」から
先日、ブックオフで買ってきた相田みつをさんの「新版 にんげんだもの」を通勤の途上で読んでいる。そういえば、日曜日一緒だったHさんも、やはりブックオフで最近同氏の本を買ったと言っていた。Hさんとは好きな本の相性がいいようだ。ブックオフで105円で買ったのも同じなのだが・・。高校時代にもっと本の話でもしていたら、面白かったろうにと思う。どんな本を読むか、それは年齢によっても変わっていくのだろう。だけれども、作家の好き嫌いは自ずと出てくるので、人によって傾向が出てくるのではないだろうか。
相田みつをさんの書はとてもメッセージ性が強い。しかも、どれも優しい、勇気づけられる言葉に満ちている。日本の多くの人が救われ、励まされてきたことだろう。こんな貴重な本を、わずか105円で手に入れてしまい、申し訳ないなと思いつつ、せめて一言一句大事に読もうと思いました。
「厳冬」というタイトルの書に、こころ打たれましたので、今日はそれを写したいと思います。
「 樹木が余分なものを捨てる季節 樹木が孤独に輝く季節 樹木が黙って根を張る季節 そして一年の中で樹木が最も充実する季節 みつを 」
息子さんで、現在、相田みつを美術館館長を務める相田一人さんが、この書の解説を書かれています。「父がこれを書いたのは、おそらく五十歳前後でしょう。「にんげんだもの」が世に出るのはその十年後のことです。この「厳冬」はまさに父にとって厳冬の季節に書かれたと言えるでしょう。自分の信じる道を歩いているという矜持と、それこそにんげんらしい不安の両方が期せずして現れた作品です。」
ちょうど私と同じ歳頃に、厳冬の季節にあって、矜持と不安の両方を持って書かれたとのことで、いまの自分と重ね合わせ、更に感じるものがありました。十年後の相田みつをさんのようにとは、とても僭越で及びもつきませんが、少しはいい未来が訪れていればと思います。