神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

目に青葉 山時鳥 初鰹

macky-jun2009-05-18

 「目に青葉 山時鳥(やまほととぎす) 初鰹」という有名な句を、不真面目にも仕事中に思い浮かべていたら、堪らず鰹が食べたくなってしまった。いつもなら、春日の「鯛助」か、地元神楽坂の「魚浅」に行き、生きのいい鰹を買ってくるのだが、この日は手抜きをして、牛込神楽坂駅近くの「キッチンコート」で、静岡焼津産だけど、解凍のトロ鰹というのを買ってきた。
 妻は開口一番、「これ解凍だけど大丈夫?」と言う。おまけに、「わたしゃ、鰹は生の美味しいと思ったものしか買わないよ」とのたまう。まあ、値段も550円の2割引で安かったのだが、不安が過ぎる。案の上、食べてみると、上質な鰹を食べた時のフワッとした感じがない。何か固い感じなのだ。してやられた〜と思った。「感情と欲に負けたね〜」とまで、言われてしまった。魚選びはこれでも、数少ない自信のあるジャンルであったのだが、またしても馬鹿にされてしまった。同い年の妻というのは、いつまでも生意気でいけない。
 この句は江戸時代前期の俳人である山口素堂のもので、正しくは「目には青葉 山時鳥 初松魚(はつがつお)」であるという。一般的に俳句の季語は一つですが、この句には「青葉」「山時鳥」「初松魚(鰹)」の夏を表す季語が三つもあります。いきなり、字あまりになるのがしっくりこないので、題名の「目に青葉・・・」の方が個人的には好きです。
 「目には」に三つの季語がかかるのではなく、「目には青葉 (耳には)山時鳥 (口には)初鰹」と省略されているのでしょう。たぶん、素堂は、五感に訴えかけ、初夏の到来の喜びを歌ったのでしょう。五感を研ぎ澄まして、自然の息吹を感じてみる。何とも贅沢な気分です。この句を思い浮かべる度に、浅葱をいっぱいふりかけ、生姜とニンニクをたっぷり添えて、また鰹が食べたくなってしまいそうです。