神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

ため息は善か悪か

macky-jun2011-12-27

  ため息をつくことは一般的に悪いことと思われがちだが、医学的にはとてもいいことらしい。ため息は吐く息であり、副交感神経を刺激し、全身の血流をよくする。すなわち、ため息をつくことで人間は自然とリカバリーショットを打っているのである。そんなことを先月のある日ラジオで、順天堂大学の小林弘幸教授が語っていた。自律神経をコントロールすることが、体の免疫力を最大限に引き出し、人生をコントロールする。
 自律神経は交感神経と副交感神経とに分類され、主に副交感神経の活動が上下することによってバランスが保たれる。心身が興奮しているときや日中は主に交感神経が優位に働き、リラックスしているときや睡眠中は副交感神経が優位に働いている状態です。わかりやすく例えると、車のアクセルの役目が交感神経で、ブレーキの役目が副交感神経となる。このバランスが崩れると体に不調が現れる。(例えば、交感神経優位だと、頭痛・高血圧・糖尿病になりやすく、副交感神経優位だと、うつ症状が現れる。)両方とも高くバランスが保たれていると病気にかかりにくく、心身の働きが活発となり最高のパフォーマンスが得られるようだ。
 30代の私の話で恐縮だが、ある難病にかかり、体調を崩していたことがあった。ありとあらゆる健康法を試み、体の修復に努めた。その時、出会い、4年間ほど熱心に通ったのが「呼吸法」の西野塾だった。西野晧三さんというその昔、西野バレエ団を率い活躍された人だが、この西野先生が開発されたのが、「西野流呼吸法」だ。
 当時は渋谷の西野ビルが道場となっていた(現在は神泉に移転)が、週2回ほど通った。師範の先生たちと手を交わし、気の交流をするのだが、力を加えられる訳ではないのだが、体が後ろに吹っ飛んでしまうのである。例えてみると、空気を満杯に膨らましたボールどおしがぶつかって、跳ね返されるのに似ている。
 特に西野先生のパワーは凄くて、手を触れてもいないのに吹き飛ばされるのだ。強い気が入り込んで、猿のように4本足になって、ホール中をグルグル回ってしまう人がいるのには驚かされた。その時に、呼吸法の極意として言われていたのが、「丹田(腹のへそ周りのこと)を意識しつつ、吐く息に意識をもっていくこと」だった。人間は焦りや不安などストレスが加わると、呼吸が浅くなってしまう。深く息を吐くことに気をとめれば、自然に吸うことは行われる。呼吸とは吐くことなり。
 これが、小林教授の言っていた吐く息、「ため息」の効用なのかと古い記憶を思い出した次第である。息を吐くこと、すなわち副交感神経の働きを高めることが最高の健康法であり、どうやら人生の質を決めることになるらしい。