神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

アラジンって中国人だったの!? 

macky-jun2011-05-08

   昨日は新国立劇場にビントレーの「アラジン」を妻と観に行った。バレエは昨年の8月以来であった。今シーズンからバレエ芸術監督に就任したD・ビントレーは、昨年の「カルミナ・ブラーナ」、「ペンギンカフェ」を同バレエ団で演出してきた。この「アラジン」は2年半前の2009/11に新国立劇場世界初演となったが、妻はその初演を観ていた。
 ビントレーの「アラジン」はとても現代的なセンスに溢れていた。洒落ているが愛情と優しさのある振付だった。新国立のダンサーは皆上手く、主役級のダンサーを随所に配置していた。演出がとてもよく考えられており、幕ごとの背景大道具の変更もとても見事であった。効率的で、視覚的に美しい演出であった。主演のアラジンをやった福岡雄大、プリンセスのさいとう美帆、ランプの精ジーンの福田圭吾・・・それぞれとても好かった。アラジン母役の楠元郁子が背を丸め、ユーモラスなマイムを演じていたが道化回しの役であろうか、いい味を出していた。
 「アラジン」を観ていて、先ず奇異に思ったのは、アラジンとその母親がチャイナ服を着ていたことだった。イギリス人にとって、アラジンはアラブの中国人の町に暮らす中国人なのである。途中、中国を思わせる獅子舞とか龍の舞とかの演出が行われる。アラジンはアラブ人であり、中近東の物語だと思っている日本人にとってはとっても奇妙だった。
 アラビアンナイト千夜一夜」は長大な物語であるが、「アラジンの魔法のランプ」の寓話は実はアラビアンナイトの原典には無かったらしい。フランス人のアントワーヌ・ガランが17世紀に創作をしたのではないかと言われている。まことにアラジンは謎に包まれた主人公である。しばし異空間を楽しめた舞台だった。