神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

新国立バレエ「マノン」

macky-jun2012-06-26

  ケネス・マクミラン振付のバレエ「マノン」を観てきた。S席の前から5列真中のとてもいい席だった。オペラは後方や2・3階席でいいが、バレエはS席のしかもいい席に妻がとてもこだわる。見た目の美しさを競うバレエは細部をじっくり観たいが、オペラは歌を含め細部よりも全体感を味わえればいいと考えているからだろうか。
 マクミラン振付はそのスケールの大きさから20世紀英国物語バレエの最高峰との呼び声高く、世界の名だたるバレエ団で上演されている人気作品であるらしい。というのも私自身はこの演目を観るのは初めてだったからだ。新国立では2003年に上演されたが、9年ぶりの再演となる。国内ではあまり「マノン」は採り上げられることがないようだ。「マノン・レスコー」として有名な”魔性の女”の物語はプッチーニによるオペラ化をはじめ、映画や絵画などの題材としても繰り返し採り上げられてきた。だから観てみたかった。
 舞台は18世紀のフランスで、マノンや神学生デ・グリューらの複雑な内面性を、恋に溺れ、贅沢と快楽を求め、ひたすら破滅へと落ちてゆく若い二人の愛と死のドラマとなっている。ストーリーは相変わらず、男と女の愛憎劇という他愛もない話であるが、マクミラン独特のアクロバティックなリフトを多用したデユエットは技術的にも難しいし、体力的にもシンドイだろうなと思った。
 デ・グリュー役のコナー・ウォルシュとマノン役のサラ・ウェッブの巧さにはとても感心してしまった。ヒューストン・バレエ団の若きエースなのだろう。他の日の演技を観ていないので何とも言えないが、日本人ダンサーにはちょっとシンドイかもしれないと思わせた。レスコー役の古川和則の道化が入った演技も好かった。とても堪能できた一晩だった。