神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

太田裕美は女性に嫌われるのか

macky-jun2010-08-15

 太田裕美の「さらばシベリア鉄道」を聴きながら書いている。遂に「2000BEST」を買ったのだ。何処にもなくて苦労したが、一昨日、銀座の山野楽器で手に入れた。ここはとても品揃えが豊富なのと、土地柄かオジサンの好みを反映した品揃えをしているのだろう。そういえば彼女のCDを買ったのは初めてだったのだ。このアルバムには「木綿のハンカチーフ」「赤いハイヒール」「雨だれ」「最後の一葉」「しあわせ未満」「九月の雨」などの僕ら学生時代の思い出がいっぱい詰まったヒット曲のオンパレードだ。
 だけど、女性は太田裕美が嫌いなのだろうか?!CDをかけていると「もうこの声何とかしてくれ」と妻からは不興の嵐である。あの甘ったるい舌足らずの声と、カマトトっぽいキャラが女性からは嫌われるのだろうか。だから、妻の前で太田裕美を聴くのには勇気が要るのだ。だからこそこそと自分の部屋で聴くのである。確かにこの私も聴いていて、気恥ずかしさを感じることがある。最近の彼女の歌を聴いていないので、何とも言えないが、いい歳した女性がさすがにあんな調子では歌ってはいないだろう。
 太田裕美は、我々にとってちょっと年上の素敵なお姉さんだった。振られてしまう薄倖な女性の歌が多いのが、我々男の子のハートをぐっと掴んだ理由だろう。「木綿のハンカチーフ」の女性は、都会に就職した恋人を「都会の絵の具に 染まらないで帰って」「木枯らしのビル街 からだに気をつけてね」と気遣う。だけど、男は心変わりしたのだろうか。最後に「あなた最後のわがまま 贈り物をねだるわ ねえ涙ふく木綿のハンカチーフ下さい」でエンディングを迎え、我々は女性に感情移入させられる。
 「しあわせ未満」の無責任な、情けない男にはむかつく。ぶっ飛ばしてやりたくなる。「20才まえぼくに逢わなきゃ君だって違った人生・・・声かけて名前きかなきゃ良かったよ」おい、最後まで責任持てよ!「ついている奴 いない奴 男はいつも2通り」おいおい、運のせいにするなよ!と、歌詞を聴いているとだらしのない男についむかついてくるのである。
 彼女のこのアルバムの作詞は2曲を除いて、あの「A LONG VACATION」の作詞家松本隆である。松本は太田裕美に悲劇のヒロイン像を演出し、成功した。俺が歌詞を聴いて、男にむかつくのは、まさに彼の戦術にはまってしまっているからだろう。女性はこの悲劇のヒロイン像に、直感的に偽善を感じるから、嫌うのではないだろうか。誠に男って奴は単純だな〜と、太田裕美の歌を聴いてあらためて思うのだった。