神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

「想い出はモノクローム」

macky-jun2010-08-14

  先日、ある友人と酒席の座興として、お互いに知らない時代の写真を持ち寄ろうという企画を考えた。半世紀以上も生きていると、アルバムもたくさんあり、整理されていない写真も厖大だ。その中から数枚をピックアップするのはとても難作業だ。
 人生52年、いろいろな時空間を過ごしてきた。自分にとってはどれも素晴らしいものばかりだ。その中から大事な一瞬である写真を選ぶのは甚だ難しい。写真の中の自分は若く、当たり前ではあるが周りのみんなも若く、面白い。昔のアルバムを通しで見ると、自分が今日あるアイデンティティーを確認できる。
 持ち寄った写真を並べ、ファミマでA3という大きなペーパーでカラーコピーをとった。人の半生が一覧でき、面白い試みだと思う。試してみてくださいね。こんなに容易く、人生を一枚の紙に収めてしまうのには躊躇ってしまいます。相手の知らない時間を埋め合わせることが出来るし、自分にとってもこれまでの来しかたを振り返ってみるきっかけになるのもいいだろう。お互いに持ち寄った写真の中の一枚に、同年同月同日に撮影したものがあって驚いた。何たる不思議な偶然だろうか。過去の時間が交錯する面白い体験だ。その友人とはある時空間を共有していたことがあった。
 生まれてから子供時代まではモノクロームの写真、小学校の高学年辺りからボチボチカラー写真が混じりだす。1970年の万博の写真はカラーだった。モノクロームとカラーの混じった、面白い時代を我々は生きてきた。まさに技術開発の歴史なのだが、時代がそこで隔絶しているかの感覚が興味深い。カラーが出始めた頃の写真は品質も高くなかったせいか、色もぼけていて、モノクロームに近い。だけど、その時代感が何ともいいのだ。やっぱり、松本隆の詩のように「想い出はモノクローム」だね。