神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

古武道忘年会へ

macky-jun2010-12-27

 友人から誘われ、「古武道忘年会 師走の協奏曲Vol.2 」と題したコンサートに行ってきた。場所は三軒茶屋キャロットタワー3階にある世田谷パブリックシアターである。まだ新しいけど600人収容の演劇・舞踊向けのコンパクトなホールで、森の中に居るような幻想的な雰囲気を醸し出した空間だ。7時開演。聴衆はイケメントリオなので9割方が女性だった。
 「KOBUDO-古武道」はチェロの川展生、ピアノの妹尾、尺八の藤原山の和製トリオである。三人の名前から一字ずつ採り、古武道とした。クラシック、ポップス、純邦楽の各ジャンルで活躍する3人が意気投合し、2007年にグループ結成した。和の伝統と様々な音楽のルーツを取り入れ、クロスオーバーした独自の世界を開拓している。TVCMや映画・ドラマ音楽として使われることも多いので、必ずや耳にしている筈である。熱烈な古武道ファンである友人から、これまで「KOBUDO-古武道」として出したCD3枚ばかりか、藤原道山妹尾武のソロのCDを頂いていたので、既に馴染みであった。学生時代からFusionを追ってきた私の趣味に合う音楽だ。勿論、iPhoneにも入れて、日頃から聴いている。
 第1部は「KOBUDO-古武道」の3人での演奏だ。曲目は「追憶のアリア」「空に咲く花」「SNOW」「新大阪」「My Little Song」「東風」「日曜日のシンフォニー」「ショパンメドレー ピアノ協奏曲第1番第2〜3楽章」の8曲であった。 第2部は「SASUKE」「TANGO-J」で始まり、ゲストに著名なソプラノ歌手中丸三千繪、フランスに在住し、「西遊記」というバンドで活躍する琴奏者みやざきみえこの2名を迎え、ジョイントセッションを行なった。みやざきと藤原道山とはかつて「イーストカレント」という和製デュオとしてコンビを組んでいたことがある。芸大で3年違いの先輩であるみやざきに道山は恐縮している様子だった。
 まずは琴のみやざきと「風の都」「水無月」を演奏する。こんなに迫力のある琴の演奏は初めて聞いた。「風の都」は琴が入るとこんなにも激しくなるのかと感嘆した。彼女の表情・鬼太郎のような髪型・紫の着物と緑の帯といういでたちが、さらに”怖さ”を印象付けた(失礼)。まるで雪女か、民話に出てくる老婆が「見たな〜」とでも言ってきそうな妖気漂う迫力だった(またまた失礼)。何故か音楽を専攻していた、”怖い”我が妻を連想してしまった。なかなか適切な表現がうまく出来ませんが、その位インパクトのあるいい演奏だったということです。
 次に中丸三千繪トゥーランドットの舞台にでも出てきそうなド派手な衣装(山本寛斎が絨毯の生地で作った)で登場した。日頃の声楽曲とは違い、マイクで歌うのがとても嬉しそうだった。「忘れないで(谷村新司)」「翼(武満徹)」「バラ色の人生」を情感たっぷり、包容力いっぱいに歌いあげた。中丸はスポーツウーマンで、ダイビングや4000m級の山でのスキー、いまは飛行機操縦の免許取得中とのこと。「車はブレーキがあるけど、飛行機はブレーキが無いのがいい。人生同様に減速したくない。」と過激なことを言っていた。兎も角、二人の女性ゲストはパワフルで迫力があった。
 古武道の「空へ〜a song for Apollo〜」の後に、アンコールで全員が揃って、サラ・ブライトマンで有名な「Time to Say Good-bye」を合奏し、最後は古武道が「蛍の光〜お正月」で締めた。昔は卒業式の定番であったこの曲は、近頃の式ではあまり歌われないようで寂しい限りだ。概して、別れの曲というのは美しい曲が多い。感動が高ぶっているシーンに使われるから、尚更、感情移入し易いのだろうか。2時間25分の「古武道忘年会」、とても素晴らしいライブで、思い出に残る忘年会でした。
 この後、我々は三軒茶屋駅近くの小路にある居酒屋に入り、軽く一杯、”我々の”忘年会をやったのだった。