神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

北京オリンピック柔道男女の明暗

macky-jun2008-08-16

 北京オリンピックが始まって以来、連日楽しみにしていた柔道が昨晩で終わってしまい、寂しくなってしまった。不振だった男子も100kg超級の石井慧の金メダルで、最重量級のチャンピオンの座を守り、何とか面目は保てただろうか。だけど結局、メダルは66kg級の内柴正人石井慧の金2つのみで、五輪史上最低の成績となった。アテネが金3銀1の4つ。シドニーも全く同じ金3銀1の4つ。過去最高だったのは84年ロサンゼルスの金4銅1の5つ。金のみでは88年ソウルでは斎藤仁の一つのみということがあったので、それは何とか上回った。
 だけど、石井慧の闘いぶりは最重量級のチャンピオンに相応しい堂々たるものだった。一本勝ちには拘らない、反則の効果ポイントでもいいと嘯く石井だが、なかなかどうして、決勝以外はオール1本勝ちで相手を圧倒していた。前に、全日本柔道選手権を征した石井慧について、新しいタイプの柔道家だと書いたことがあるけど、国際大会でもとまどいなく勝てる石井慧は実に頼もしい日本のエースだ。(http://d.hatena.ne.jp/macky-jun/20080429
 昨晩は中学野球部の仲間と飲み会があったので、柔道の準決勝・決勝戦をLiveで観ることは出来なかった。同じ日に行われた女子78kg超級では塚田真希が銀メダルを取った。終了8秒前に宿敵トウ・ブン(中国)に逆転負けし、前回アテネからの連覇を逸したのは残念であったが、堂々たる銀メダルであろう。女子は63kg級谷本歩美と70kg級上野雅恵の金2つ、塚田真希の銀1つ、48kg級谷亮子と52kg級中村美里の銅2つの計5つのメダルは2つの階級でメダルが無かっただけ、前回アテネでの金5つ、銀1つの計6つは出来過ぎだったので、まずまずの結果だ。連覇をした谷本と上野の闘いは見事だった。
 男子と女子でどうして明暗が分かれたのだろうか。なんとか面目を保った感じの男子は金を獲った2人以外は殆ど初戦負けの惨敗だった。ベテランが多かったので幹部は選手の自主性に任せる方針を取ったが、それが練習不足や調整不足に繋がってしまったようだ。一方で女子の方針は徹底した走り込みと寝技の練習で明快だった。ベテランも若手も関係なくしごいたようだ。試合で日本選手が先にバテる場面は殆ど見られず、寝技は女子が勝ち進んだ大きな要因となった。日本柔道連盟幹部の方針の違いが大きく明暗を分けることとなったと言えようか。
 世界の柔道は200カ国で行われていると言われており、かつての強豪国フランス・ブラジル・キューバにメダルはなし、アゼルバイジャンとモンゴルに初めて金メダリストが誕生した。力が接近しており、25カ国がメダルに絡んだ。勢力図は変わりつつある。次回ロンドン大会では初めて出場権を逃す階級が出る可能性もあるだろう。日本発の武道で、国際スポーツとなったJudoでなく、柔道の盟主であるためには何らかの工夫なり対策が必要だろう。