神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

強い女性が好き!

macky-jun2008-10-07

 山口香さんが好きである。柔道の解説及び全日本女子チームコーチをやっている、かつて現役時代”女三四郎”と呼ばれ、一世を風靡した、その凛とした姿は今でも変わらない。たぶん、頭脳も明晰なのであろう。淀みなく、テンポのいい解説にいつも感心をしている。オリンピック予選で48Kg級で谷亮子に勝った山岸絵美が代表にならないのはおかしい、と選考委員会に正面から訴えた勇気と情熱と義侠心にも、いたく感動した。つまるところ、強い女性が好きなのである。関係ないけど、その点ではうちのかみさんもその強い女性の部類に入るのではないかと思う。
 10/5行なわれた柔道世界団体選手権で、日本女子が見事に優勝した。体重別7人制で男女各8各国が争う大会で、東京武道館で行われた。日本女子は1回戦対ドイツを5−0、準決勝対アルジェリアを6−0、決勝対フランスを5−1で圧勝した。すなわち計21試合で黒星はわずか1試合だった。しかも決勝のフランス戦は5勝の内、4勝が1本勝ちだった。北京オリンピックの代表は谷本歩実中村美里、中沢さえの3人のみで決勝に出ただけだった。代表以外のサブメンバー以下で、圧勝したわけであり、層の厚さを見せつけた。
 若手の争いが激しく、52kg級では西田が2試合とも1本勝ちをし、ライバル中村に見せつけると、ようやく決勝で登場した中村は開始わずか16秒でリシャールを小内刈りで下した。48kg級でも山岸、福見がそれぞれ1本勝ちした。ポスト谷を共に強くアピールしたのだった。また、57Kg級の松本薫が寝技を3回ひっくり返して抑え込んだ粘りには驚いた。女子はすでに2012年ロンドンオリンピックに向けた競争が始まっている。
 男子については北京の不振を引きずっているのか、3位決定戦でロシアに敗れて5位に甘んじた。グルジアが優勝した。オリンピック同様に情けない結果に終わったが、明らかに相手に迫力負けしており、勝てる感じがしなかった。今の男子の実力は正直なところ、こんなものかもしれない。齋藤監督もそういうようなことを言っていた。
 今朝、石井慧がプロの総合格闘技に転向とのニュースが流れ、驚いたが、日中開かれた記者会見に、石井は齋藤監督と一緒に現われ、それを否定した。いったいどうなっているんだい、と思った。何でも、先日石井が小川道場を訪れ、金メダルを寄贈すると言ったとか、昨日、吉村強化委員長に「総合格闘技に転向したい」と申し出があったとか伝えられた。それに対し、「石井を強化選手から外す」、とか「慰留はしない。本人の希望に従う。」という、柔道連盟はとても冷たい対応だった。今の男子チームで勝てるのは唯一石井だけなのに。柔道連盟のこの考え方が男子柔道の今日の衰退にある、と思った。先のオリンピックでの男女柔道の明暗は柔道連盟強化チームの考え方の差にあった(http://d.hatena.ne.jp/macky-jun/20080816)と書いたのだけど、この石井の一件でまさにそのことが白日のもとに晒されることとなった。こんなことで石井を破門してしまう。なんて狭量な組織なんだと思う。石井は確かにビッグマウスで、顰蹙を買うような行動も多いのかもしれない。伝統的な柔道の格式には収まらない柔道家であるし、何よりまだ21歳の子供である。しかし、グローバルスポーツ化しつつあるJUDOに対応できるクレバーさを持った新しいタイプの柔道家でもある。柔道連盟こそ考え方を改めない限り、男子柔道の失地回復は望めないと、憤りを持って強く思う次第である。女子と男子で、嬉しさと憤りと相半ばした日でした。