神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

清水和音の「三大ピアノ協奏曲の饗宴」

macky-jun2012-03-26

  昨日、サントリーホール清水和音の「三大ピアノ協奏曲の饗宴」と題したコンサートに行ってきた。妻が誘ってくれたのだ。三大ピアノ協奏曲とはベートーベンの「皇帝」、チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」である。いずれも超有名なPコンの大作ばかりだ。この3つを一度に演奏するのは極めて珍しいようだ。それだけ超絶技巧を要する曲ばかりなので、ピアニストの疲労が激しく、まずこういう選曲はしないということなのだろう。
 サントリーホールに来たのは実に久し振り。記憶が確かならば92年のビシュコフ指揮のパリ管弦楽団以来だろうか。昔は子供たちを隣のANAホテルの託児所に預けてまでコンサートに行ったというのに・・・。バレエには行くもののコンサートからは足が遠退いていた。
 昔はこのホールのあるアークヒルズ陸の孤島のような不便な所だった。仕事でこのビルにはよく来たが、どこの駅からも遠かった。森ビルが不便なこの土地を再開発し、ブランド力のある街に改造したのだ。森ビルはこの手法により安い土地を地上げし、大規模開発を行ない、土地にブランド力を与えて地価を上げ、含み益を蓄える手法で急成長した。港区の何割かは既に森ビルが所有しているのではないだろうか。しかし、今は六本木一丁目という南北線の駅がすぐ近くに出来ており、我が家からも飯田橋からわずか5駅という便利な所に変わっていた。
 さて、コンサートはなるほど素晴らしい内容だった。いずれもよく知った曲であったが、これまで生で聴く機会がなかったのは不思議だった。天才美青年だった清水和音もいまや51歳の太めのオジサンとなった。まさに円熟したピアニストとして一番油が乗り切った清水のピアノを聴くことができた。東京フィルの指揮者梅田俊明ほかオーケストラの洗練された演奏も良かった。時がたつのが惜しかった程、自分にとっては素晴らしいコンサートだった。おまけにアンコールはこれまた私が好きなラヴェルの「亡き王女のためのパヴァ―ヌ」だった。
 2時間半の演奏の余韻を楽しみたく、小腹のへった我々は近くのカフェにて洋梨のタルトとエスプレッソで、小一時間もゆったりと日曜の午後を過ごしたのだった。