神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

日本電機産業の夕暮れ(2)

macky-jun2012-03-10

 安くなったテレビの外に売り場で目を惹いたのは、LG製テレビの3D技術だった。CINEMA3Dと名付けられた製品の3D画像は日本メーカー他社製と比べ、凄いのだった。兎も角、立体画像が目の前に浮き上がって見えるのだ。アクティブシャッター方式が日本の主流の中で、LGはワーナー映画と同じシネマ方式を採っている。また眼鏡も日本メーカーのゴーグルのような電気式と違い、軽い偏光レンズのサングラスタイプだ。安いのだけが特徴かと思っていた韓国製だが、技術的にも日本を凌駕してしまったのかもしれないと感じた。
 実はLGは日本市場に昨年再参入したばかりなのだ。世界ではテレビでトップシェアを持つSAMSUNGとLGにもかかわらず、日本ではテレビは全く売れなかった。日本メーカーが強いこの市場では韓国製は売れない。日本人は家庭の中心にあるテレビのブランドには拘るのだろうか。SAMSUNGに至っては日本での販売から撤退し、現在は日本法人に専任の社長さえ置いていないのだ。
 韓国は1997年に通貨危機IMFに支援され、国家破産寸前にまでなったのは記憶に新しい。しかし、金大中政権の選択と集中政策の下で、半導体・通信に集中することを決め、国家丸抱えで、SAMSUNGやLGなど財閥企業を支援した。その政策が実った。日本の電機メーカーは過去の栄光に安住してしまったのか、デジタル化への変換を見誤ったのか。いずれにしてもAppleSAMSUNGを超えるような新しいビジネスモデルを創造しないことには生き残れないのかもしれない。