神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

ギリシャ危機の本質(2)-ユーロの失敗

macky-jun2011-11-04

  ギリシャ危機の根源はEUの持つ経済構造的問題にある。本来、ギリシャのように財政が悪化し、GDPや国際収支が赤字の国は、ギリシャ通貨が暴落し、インフレが発生し、対外的にはギリシャ製品の市場競争力が向上し、経済力が回復するという為替メカニズムが働く。しかし、通貨はユーロに統合され、自国経済がどう変動しても為替相場は変わらない。
 ギリシャのインフレ率が高くなれば、金利を引き上げたいが、ユーロ金利欧州中央銀行が決定している為、自主的に金利さえ変えることができない。すなわち、各国が金融政策を自由に行なえない仕組みとなっている為に、為替や金利のメカニズムが働かないのだ。
 政治統合を優先した為に、このような経済的な欠陥は当初から指摘されていたが、見切り発車をしてしまったというのが真実であろう。欧州が一つになるという理想主義にはやはり無理があったのか。経済原理を無視した処にユーロの失敗があったと言えるのではないだろうか。