神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

日米の野球を考える(8)-IT化の波

macky-jun2011-09-06

 MLBの精神から機械やデータに頼るやり方は好ましくないとの風潮があった。審判絶対の基本ルールから、他のスポーツでは行われているカメラやハイテク電子機器による判定が一切導入されていない。人と人とが競うスポーツは人が判定するという考え方だ。
 しかし、MLBにもIT化の波は押し寄せている。ここ10数年の選手年棒の高騰が要因となり、交渉に綿密な査定が必要となっている。かつては、投手なら勝利数や防御率、打者ならば打率や打点などの基本的データが重視されたが、それのみではきちんとした評価が下せなくなってきた。投手のみでも、先発〜リリーフ〜クローザーと役割分担が当たり前になった。打者もDHや守備の評価、怪我や故障の理由や欠場の判断。これを多数の選手毎に均一の評価を行うのは不可能だ。
 客観的な評価をする為に、複数の選手を比較検討する場合に、様々なデータを瞬時に算出し、交渉する為のチーム側の事情としてIT導入が活発になった。元より野球は歴史が古く、スコアブックなどの記録収集手段は高度に洗練されている。野球に限らず「スポーツ解析」が注目を集めている。高度なデータ解析は選手評価・トレード・ゲーム戦略・チケット価格に至るまで、スポーツビジネスのあらゆる局面に活かされている。
 ビル・ジェームスという人が開発した「セイバーメトリクス」という野球データ解析の手法がMLBでは広まっている。従来の指標を否定し、新しい指標を考え、革新性のあるものだ。詳しくは明日に続けたい。