神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

日米の野球を考える(5)-名前で金をとる

macky-jun2011-08-25

  スティーブ・ジョブズがアップルのCEOを引退するという。膵臓がんになり、体の調子がよっぽど悪いのだろう。アップルの時価総額は米国で一番高く、最も企業価値の高い会社となっているが、このニュースを受け、株価が一日で7%も下落した。ジョブズの下で次々と画期的な新製品を出してきて、ジョブズプレミアムのある会社となっている。ジョブズあってのアップルなのだ。ジョブズのいないアップルはどうなっていくだろうか。
 さて、米国の象徴でもあるBaseballを考えていきたい。MLBで球場建設ラッシュが始まった90年代半ばから、ネーミングライツ命名権)ビジネスが盛んになった。日本でも「味の素スタジアム」「京セラドーム大阪」「Yahoo!Japanドーム」「マツダスタジアム」「CCレモンホール」など、すっかりおなじみである。
 米国でのネーミングライツの特色は20〜30年の長期契約で、しかも契約金額も200〜300億円と高い。毎年、多額の収入が球団に転がり込むので、まさに濡れ手に粟のビジネスである。過去最高額はメッツの新球場「シティ・フィールド」で、20年契約、総額4億ドル(300億円)であり、シティバンクに売却された。シティが購入したのはリーマンショック前の2006年である。
 英国サッカーチームアーセナルエミレーツスタジアムも15年間、1億ポンド(200億円)で巨額である。一方、日本は「味の素スタジアム」が5年、12億円、「Yahoo!Japanドーム」が5年、25億円であり、概して3〜5年と短く、少額である。
 ヤンキースタジアムネーミングライツを販売していない。歴史と伝統のある球場名を安易に変えることをファンが許さない為である。レッドソックスドジャースなど伝統のある球団も同様である。
 しかし、ネーミングライツビジネスはどんどん進化しており、球場名に限らず、シートエリアやスイートルームやクラブハウスに小分けして販売するようになっている。長期間の安定収入をもたらすネーミングライツが、スポーツビジネスを発展させてきた要因の一つでもあろう。
写真は文中のメッツの新球場「シティ・フィールド」です。