神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

日米の野球を考える(4)-球場との関係 

macky-jun2011-08-24

 このシリーズを始めてから、連日MLBの有名な球場の写真を掲載している。日本の球場がドーム主体になったのに対して、米国の球場は自然芝の美しいクラッシック球場が流行りである。ドームの人工芝はどうしてもいただけない。子供の頃感激した自然芝と土(アンツーカー)との組み合わせの美しさを、懐かしく思う今日この頃である。
 日本のプロ野球(NPB)が企業スポーツであるのに対し、MLBは公的なスポーツであるといえます。MLBの球場は基本的に公的資金(税金)によって建設されています。ヤンキー・スタジアムもドジャー・スタジアムもニューヨーク市ロサンジェルス市の税金で建設され、球団に無償貸与されているらしい。
 新球団として参加したアリゾナダイヤモンドバックスの新球場建設費用500億円を捻出する為、本拠地フェニックス市は売上税(消費税)を2%上げました。MLBチームを誘致したい市民は積極的に市内で買い物をし、当初計画の8か月よりも早い6か月で目標額を集めたという。 
 シカゴ・ホワイトソックスは「税金で専用球場を建設して貰えないなら、フロリダ州タンパに移転する」と、イリノイ州とシカゴ市を揺さぶり、球場建設費用と運営費用最大10M$を税金負担させることに成功した。米国は地方自治体の徴税権が日本よりも格段に柔軟であり、このようなことが可能になっている。球場が地域住民の憩いの場として、球団が地域の象徴として密着しているのも特色である。
 日本でも公営球場をフランチャイズする球団があるが、球団と球場の関係がMLBとは違っている。球場から生まれる権利は基本的に球場に属するというのが日本だ。ベイスターズ横浜スタジアムの営業権を持たず、経営は楽ではない。ホークスの福岡ドームダイエーが93年に760億円をかけて建設したが、現在はシンガポールの政府系ファンド(GIC)に売却され、現在は年間家賃48億円の負担に苦しんでいる。日米球団経営ではこの球場にかかるコスト負担が明暗を分けているようである。
 写真は文中に出てきたダイヤモンドバックスチェース・フィールドです。