神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

日米の野球を考える(2)ースポーツビジネスとしての野球

macky-jun2011-08-22

  米国スポーツ産業のGDPに占める比率は1.0%であり、産業別で見ると10〜12位である。これは電機・自動車産業よりも大きい。日本は0.025%であり、米国のわずか1/40に過ぎない。米国民にとってスポーツが産業として根付いているのがわかろう。
 NFLMLBNBA・NHLの4大スポーツの存在が大きいが、これらの放映権を世界中に売れるのが莫大な収益をもたらしている。英語圏であるのも大きいだろう。MLBの30球団の内、27球団の営業損益は黒字であるという(Forbes.2008 Team Valuation,Apr.19,2008)。MLB合計では450億円の営業黒字である。売上高の上位はヤンキース294億円、レッドソックス237億円、メッツ212億円、ドジャース202億円であるが、赤字3球団はヤンキース▲43億円、レッドソックス▲17億円、ブルージェイズ▲2億円となっている。
 ヤンキースレッドソックスという主力チームが赤字なのは、選手年棒が高いのが理由でもあるのだが、「課徴金制度」と「収入分配金制度」の負担が大きいためである。MLBは戦力均衡を保つために、年棒総額が一定額を超えた球団にペナルティーを科す「課徴金制度(ぜいたく税)」と高収入の球団から低収入の球団に収入移転を促す「収入分配金制度」を採っている。まるで社会主義のような制度である。
 戦力拮抗が儲けを最大にするとの信念の下で、選手のストライキ等、激しい労使交渉の末で上記制度が導入された。その結果、2001年には2/3が赤字であったが、殆どの球団が黒字化することになった。
 写真は松坂のいるボストン・レッドソックスフェンウェイパークです。都市部の狭い敷地に建てられた為、左翼部が極端に狭く、歪な形状であり、「グリーンモンスター」と呼ばれる巨大なフェンスがそびえています。