神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

ソーシャルメディアと暴動

macky-jun2011-08-21

  とても涼しくなった。つい先日まで猛暑が続いていたが、急にこの寒さ!いったいどうなっているんだ。ニュースを追っていると、更に寒くなるようなことが世の中では起きている。
 米国で"Flash Mobs"という犯罪が流行っているという。TVでの動画を見ると、コンビニに30人位が集団で一斉に入ってきて、万引き・略奪・暴行を行なうのだ。TwitterFacebookなどのソーシャルメディアで集結を呼びかけ、見ず知らずの第三者が集まり、襲撃をしかけているらしい。
 月初にあったロンドンでの暴動事件も背景が似ている。ロンドン北部で起きた警察官による住民射殺事件を発端にして、各地に飛び火して焼き討ち、略奪行為に発展した。根っこにあったのは若年層の失業問題や財政再建に伴う増税、警察への不信など複合的な不満が爆発したようだ。この時もソーシャルメディアでの呼びかけが集団的な暴動につながったと言われている。
 うまく政治運営を行なっていると言われていたキャメロン政権は、欧州他国での教訓を踏まえ、いちはやく財政大手術に着手し、消費税を上げ、教育・失業対策予算をカットした。こうした一連の改革に若者たちは不満を募らせていた。若者の声はブラックベリーの匿名メッセージ機能により、たちどころに暴徒化をあおった。ロンドンの中心街で2階建てバスが焼き討ちされたのには衝撃を受けた。大都会の真ん中であんな暴動が起きるなんて、信じがたい光景だった。
 今春、エジプトでの民衆革命が北アフリカ各地に拡大していったのも、ソーシャルメディアの力である点で共通している。このように民衆の不満は直ちに拡大しやすく、伝播して暴動に発展しやすい。今までのように弱者が、被支配層が不満を永年我慢し続ける時代ではなくなってきた。不満は直ちに爆発しやすいのが、ソーシャルメディア時代の特色だ。施政者はこの点を心得た方がいい。
 景気が悪化すれば、非正規労働者がまずしわ寄せを受け、職を失う。少子高齢化社会で社会保障費は若い世代に負担としてのしかかり、不満のみが貯まっていく。若者が将来に希望を持てない社会に明日はない。新興国発展途上国で起きているのならともかくとして、英米という先進国で発生している暴動・略奪事件を見るにつけ、世の中の疲弊感が窺い知れる。若者の3人に1人が非正規雇用だという我が国とて、他人事ではないだろう。