神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

日米の野球を考える(1)-プロローグ

macky-jun2011-08-17

  大リーグ(MLB)のレベルは下がったと思っている。1972年にボルティモア・オリオールズが来日し、その強さを如何なく見せつけてくれた。なんと親善試合ながら18試合も戦って、わずか2勝しかできなかったのだ。しかも、主催者の巨人は1勝もできず、全日本、巨人-中日連合で2勝したのみだった。当時の巨人はV9の真っ只中にいて、長嶋も王もいた最強チームだった。その巨人が全く歯が立たなかった。14歳だった私にとってはとても強烈な印象だった。
 だから、その後、時を経て、日本チームに負けるMLBチームを観るにつけ、レベルが下がったなと思った。正確には日米の格差が縮まったということだろう。MLBは1960年まで各リーグ8チームの16チームで永らく構成されていたが、オリオールズ来日時は24チームに増加、現在はナリーグ16チーム、アリーグ14チームの30チームにまで拡大した。この拡張政策が水増しされて、レベル低下となったものと考えている。その証明がWBCでの日本チームの連覇である。尤もMLBは米国選手のみならず、広く中南米やアジアからも選手が集まっているので、反論もあろう。
 これをビジネスとしての市場で考えると、全く逆のことが言えるのだ。日本プロ野球(NPB)はここ10年ほど年商1200億円前後で殆ど横這いとなっており、頭打ち状態となっている。一方、MLBは18億ドル→61億ドルへと、3.4倍にも拡大しているのだ。スポーツビジネスとして捉えた場合には、どちらが優れているかは言うまでもなかろう。
 MLBは一貫して拡張政策を採ってきたが、プレイオフやリーグ交流戦など新しいアイディアを随時盛り込み、かつWBCの主催、他地域でのゲーム開催等、グローバル化を進めてきた。NPBは昔のまま2リーグ12チームの体制を守り続けてきた。後追いでアイディアをMLBにならい採用したものの、ビジネスとしての成長はなくなっている。かつて全国津々浦々までテレビ放映された巨人戦も少なくなりつつある。さて、日米野球でのビジネスとしての差はどこにあったのかをこの後、考えていきたい。
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