神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

なでしこ達の力の源泉とは

macky-jun2011-07-25

  NHKスペシャルなでしこジャパン 世界一への道」を観た。あの快挙からわずか一週間ながらしっかりと分析し、米国選手の取材まで行っている。この番組を観て感じたのは、なでしこ達の気持ちの強さである。あの二度先行された場面でも誰一人として諦めていなかったのが伝わってくる。澤という稀有なリーダーの存在もあっただろう。澤・宮間という米国サッカーを経験した選手にとって、米国には勝てるとの自信が根底にあったから最後まで諦めなかった。
 そして彼女たちの底力はハングリーだということ。ここで負けたら日本女子サッカーはまた浮上できない。30年の歴史の中で、数々の苦難を先輩たちが味わってきた。なでしこ達の収入はとても低い。プロ選手はわずかである。一番多いであろう澤選手でも年収500万円程度だと伝えられる。殆ど収入のない選手もいる。熊谷選手は日中は新潟の半導体工場で仕事をしながら、夕方6時から練習を始める。皆、貧しい思いをしながらも、サッカーが好きだからやっている。高額報酬の男子選手とは待遇の差が全く違う。
 うちの妻が「男子だったらあの場面できっと諦めていた」と言う。たぶんそうだろう。「優勝できなくても銀メダルなら、ま、いいか!」「相手が世界一の米国だしね。」きっとそんな風に思ったに違いない。しかし、なでしこ達は違った。日本という落ち目だけど裕福な先進国にあって、珍しいくらいハングリーだったから、あそこまで気持ちが強くなれた。チームの気持ちが一丸になれた。 
 偉大な仕事ができる時というのは、全てがうまく揃った時なのだろう。監督の采配、選手のコンディション、チームワーク、モチベーション、勢い、運・・・。そう考えていくと、なでしこジャパンは勝つべくして勝った。決してフロックなんかではあり得ない。団体としては初めて国民栄誉賞が与えられるという。東日本大震災で疲弊している国民への精神的な貢献はとても大きいものがある。当然だろう。賞よりも何とか彼女たちの環境を改善してあげて欲しい。