神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

中国高速鉄道事故に思うこと

macky-jun2011-07-26

  「やっぱり」という反応が日本中に木霊した。「日本の技術を盗んでいないことが証明された」とアイロニーたっぷりな書き込みがネット上にあふれた。23日夜に起きた中国高速鉄道の衝突・脱線事故のことである。
 中国浙江省温州市で起きた悲惨な事故はわからないことだらけである。何故、先を走っている筈の車両が後ろから衝突したのか?ATC自動列車制御装置)が何故作動しなかったのか?「落雷が故障を引き起こした」との説明だが被雷装置は機能しなかったのか?おまけに事故調査前に先頭車両を破砕し、さっさと穴に埋めてしまったというから驚かされる。また、事故からわずか1日半で運転を再開したようだ。まったくこの国のやることには一般常識が通用しないらしい。
 中国の新幹線網はわずかここ数年で敷かれた。半世紀かけて整えた日本に対して、4倍の路線距離をわずか数年で築いた。この国の鉄道は数年前には平均時速50kmで走っていたというから、この突貫工事のスピードにも驚かされる。日仏独やカナダから技術を導入、国内生産した車両・システムが入り乱れる。それを独自技術だと突っ張る。
 鳴り物入りで完成した北京ー上海間新幹線も故障続きだという。運転手をわずか10日間で促成栽培するという。明らかにハードにソフト(人の育成・システム)がついて行っていないようだ。日本の新幹線は1964年の開業以来、自殺を除けば人身事故は全く起きていないという。高速で走る車両を高度な安全管理システムで運行するのが技術であろう。中国は急成長に民度が追いついていないことの象徴的な事故であろう。一方で日本の技術力に我々はもっと自信を持っていいのではないだろうか。