神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

「逃げ道」は生き残る道

macky-jun2011-07-19

 「巨人・小笠原道大阪神新井貴浩ら、不振の打者をみると、わが事のように心が痛む。小笠原37歳、新井貴34歳。いい年になってきた彼らに必要なのは猛練習より、逃げ道かも知れない。」日経新聞スポーツ欄に載っている豊田泰光氏のコラム「チェンジアップ」の一節である。
 その後、新井貴は打率を.275、セリーグ14位にまで上げてきたが、小笠原は.219、ホームラン1本、打点10と相変わらず不振から抜けていない。ベンチを暖めることも増えてきた。5年連続で3割30本を記録してきた名打者らしからぬ、今期のスランプである。
 豊田氏は「体と心が擦り切れているときに、いくらもがいても余計悪くなりかねない。・・・自分をいたわるのも大事で、どこかに妥協の余地を残しておきたい。」と続ける。同氏には兼任コーチという肩書での逃げ道があったようだ。悪い時には「おれはこっちで忙しいのだ」と開き直った。
 「休んでいるときに右中間に本塁打を放り込む夢ばかりみていた。それが格好のイメージトレーニングになった。活動のよりどころが次第に肉体から脳へと移り、人はベテランになっていくのだろう。」と書いている。
 これは我々ビジネスマンにも通じるいい話であると思った。豊田泰光氏は西鉄黄金時代の強打者であるが、素晴らしいコラムニストでもあり、毎回楽しみに読んでいる。かつて当たり前にできたことが出来なくなっている。体力も情熱も薄れてくる。こんな筈ではないともがくと、余計逆効果だ。だんだん逃げ切れない泥沼にはまってしまう。自分を責め過ぎる傾向がある人には逃げ道を用意するのは悪くないだろう。
 小笠原道大日本ハムファイターズ時代の野武士然とした姿の方が好きでした。