神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

ヴァイオリンとピアノの夕べ

macky-jun2011-06-26

  ヴァイオリンの音が教会のホールに響き渡った。夕方、ルーテル市ヶ谷ホールでのデュオリサイタルに妻と行ってきた。家から歩いて12分、散歩気分で会場に到着した。こじんまりとしたホールであるが、パイプオルガンもあり、木の床は感じがよかった。
 グルジア出身のギオルゲ・バブアゼさんのヴァイオリン、右近恭子さんのピアノ演奏。ベートーヴェンシューベルトドビュッシーグリーグというタイプの違う作曲家の「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」を4つ演奏された。27歳のときに作曲されたベートーヴェンソナタは若々しく、31歳で亡くなったシューベルトの20歳の作品は幸せに満ち、ドビュッシーは茶目っ気のある不思議な世界、グリーグはいつもながらに情熱的だった。
 と生意気に書いてみたが、実はこの日の曲目を聴くのは全て初めてだった。勿論、CDさえ持っていない。しかし、知らないながらも退屈せず、音色を聴いているだけで不思議と心地よいもので、舟を漕ぐこともなかった。前から2番目の席だったので、奏者の指使いまでよく見えた。とても難しい技術のいる楽器だと思った。
 田中博(1920〜90)さんという京都・丹後出身のヴァイオリン制作者を記念して、彼の制作した楽器での演奏だ。昭和20年代に丹後にはヴァイオリン製造工場が立地し、奥丹の産業として栄えたのは、今では地元の人でさえ知られていない歴史だという。
 演奏会は5時から始まり、6時45分には終わり、家には7時に着いて、普通に夕食をした。休日のこの夕べのコンサートというのは粋な時間帯である。おまけに一日をとても有効に使えるベストセッティングだと思った。この日は日曜日だというのに朝は5時半には起き、午前中は証券経済学会の開かれる水道橋の日大経済学部に出かけた。自分にしては珍しく、知的で芸術的な充実した休日となった。