神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

公開記念パーティーにて

macky-jun2011-05-26

  先日、さる会社の「公開感謝の集い」と名うった公開記念パーティーに出席した。ホテルオークラの一番広い宴会場「平安の間」で行われ、1000人近い人々が集まった。勇壮な和太鼓のパフォーマンスで始まったパーティーは、直に大スクリーンでの会社のプレゼンに変わった。顧客である大企業トップの祝賀スピーチが続く。
 IPO件数がガタ減りになった今日、公開記念パーティーに出席するのは実に久方ぶりである。とてもめでたいパーティーであるから、会場の「気」の流れもいい。残念ながら私はこの会社に投資をしていたわけではない。2年前にここの経営陣に対して、あるプレゼンをした処、トップの問題意識にマッチしたのか、とても感謝をされたことがあった。それ故にこの日の招待状が届いたのかと思い、有難く出席することにした。
 IR、SR分野での業界の代表格であるこの会社は、上場企業をサポートする会社だ。社長は挨拶で「お客様のいる市場に自ら飛び込んで、理解を深めたいと思った。」とIPOの理由を述べていた。「しかし、早速公開するやいなや市場の洗礼を受けています。とても厳しいです。」とも率直に語っていた。初値1800円でスタートしたが、公開後2か月で株価は1000円にまで下がってしまった。海外投資家筋が動いているようだ。
 公開することはとても名誉なことに違いない。しかし、一方で公開を続け、順調に株価を成長もしくは維持していくことさえ難しい。しんどい世界だと思った。この会社は自ら肌で味わっただけあって、本業のアドバイザリーに生かされるに違いない。ここ2日間、MBOの話題を書いてきたが、近年は自ら市場を退出し、非上場化する企業が増えている。その是非はあるが、経営者の気持ちもわかる気がした。