神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

アジアの片隅で

macky-jun2011-03-29

 吉田拓郎の歌がいい。歌詞がいいのだと思う。きれいにまとめることなく、魂の叫びをそのまま詩にして、字余りも関係なく、強引に歌っている。「アジアの片隅で」を聴きながら書いている。「狂い酒飲みながら・・・」と歌っている。気持ちはよくわかる。彼の歌を聴いているとハッとすることがある。涙が時に出そうになる。元気を貰えることもある。
 吉田拓郎の全盛期は俺が中学の頃だった。フォークソングブームで、誰しも彼しもギターを買って、弾いた。俺もそうだった。安物のフォークギターを買った。「浴衣の君は〜ススキのかんざし・・・」などと弾き歌った。その時にはちっとも好いとは思わなかった。むしろ、その挑戦的な態度があまり好きではなかった。
 永らく吉田拓郎の音楽には背を向けてきたのだが、30数年経って好きになった。ようやく彼の好さがわかったということだろうか。不思議なものである。そんな頃、高校同級生のH嬢が彼のベストアルバム「PENNY LANE」を貸してくれた。以降、iPhoneに入れて、毎日のように聴くようになった。彼の曲はメロディーにあるのではなく、歌詞の力だと思っている。聴けば聴くほど、深みのある詩である。
 自分が困難にいっぱい出会って、挫折して、意気消沈して、酒に逃げて、遊び呆けて、堕落して、人とも心がすれ違って、ビジネスにも愛にも失敗して・・・。そんな泥だらけになってきたからこそ、拓郎の歌が心に滲みるようになってきた。
 拓郎に関心が無かった時は、挫折もなく、順風満帆に人生が流れていた(ように思い込んでいた)。だからこそ、拓郎の好さが解らなかったのだろう。人生の半ばを遥かに過ぎ、人生の深みがようやく解ってきたということかもしれない。