神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

白球を追って(9)-投手の条件

macky-jun2011-02-24

  野球では圧倒的に投手の運動量が多い。そして、ボールを持っている時間が最も長いのも投手である。外野手ではごく稀に試合中全くボールが飛んでこなくて、触らないということもあり得るのである。だから、投手の出来如何でチームの強弱が左右される。いい投手のいるチームは自ずと強いのである。
 投手に要求される条件は、(1)肩が強く、威力のある速いボールが投げられること、(2)コントロールが安定しており、ストライクは勿論のこと、コースを突いた投球ができること、(3)変化球をいくつか投げられること、(4)ピンチを迎えても、冷静でいられる精神的な強さを持っていること、(5)体力的にもタフで完投できること、であろうか。
 純一は速いボールを投げることができたが、コントロールが安定しなかった。所謂、ノーコンである。変化球はよく曲がるカーブを2種類持っていた。真ん中ストライクに投げ、外角に外れるボールと、打者の頭を目がけて投げ、真中に落ちながらストライクになるスライダーの2種類だ。カーブは不思議とよく曲がった。だから、決め球に使うことが多く、これにどうしても頼るようになった。じきに多投した為に、肘を痛めてしまった。
 夏の区大会では肘がかなり悪化し、本来のピッチングができなかったのが悔しい思い出だ。プロ野球も大学も高校も、一流投手たちもベストコンディションで投げられるケースというのはそんなに多くないのではないかと思った。投手をやっていて、ごく稀ではあるが、肩が物凄く軽く、ビュンビュンと速球を放れることがある。しかもコントロールもビシビシ決まるのである。これまで練習も含め、ほんの数回だけそういうことがあった。だから、一流投手がそんな状況だと、どこまでいいピッチングができるのかと想像するのは楽しい。およそバッターが当てることさえ出来ないピッチングであろう。江夏と江川がオールスター戦で全員三振に挑んだ(江夏は9人連続達成、江川は8人連続)ようなピッチングがまさにそれであろう。
 だから、逆に言えばコンディションが悪くても、それなりの投球ができる、底の水準の高い選手がいい選手と言える。純一レベルの選手はベストな状態ではいい球を投げるが、試合では必ずしもそんなコンディションは望めないから、ボロが出るのである。結局、練習試合も含め、いくつか勝ちもしたが、負け試合の方が多かったようだ。残念なことに、30数年経って思い出すのは負け試合ばかりである。