神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

大人エレベーター 

macky-jun2011-01-04

 箱根駅伝を観ていて、スポンサーのサッポロビールのCMがたびたび登場するが、普段なら鬱陶しいところなのだが、これがまた面白い。メインキャスト妻夫木聡(30歳)が魅力ある大人たちに出会える「大人エレベーター」に乗り、様々な世代に会いに行き、「大人とは何か?」と問いかけていく。2010/1から既に6篇が制作されており、新春バージョンではこれまでの総集編と、初めて年下の白鵬(25歳)が登場する。
 「大人エレベーター」を上下すると、そのフロア階数の年齢の芸能人がそこに居て、それぞれ味のあることを言う。それぞれにまたいくつかのバージョンがあり、77歳の仲代達矢、54歳の中村勘三郎・Charや46歳のリリー・フランキー、44歳のスガシカオ、39歳の宮藤官九郎宮迫博之、25歳の白鴎らが登場する。それぞれの立場から、とてもいいことを言っている。
 例えば、77歳の仲代であれば「生きるとは恥をかくことです」「もうやりたいことは全てやってしまった」「いまこの瞬間を」「人間を知ること」などと、南の海辺で焼き肉を食べながら、含蓄のあることを語ってくれる。http://www.sapporobeer.jp/beer/77/otona_movie04.html?sopn( ←CMでは語りきれなかった部分が見られるスペシャルムービーです。)
54歳の中村・Charは「大人について」を本音で、「答えは出ない」「覚悟かな」と語る。
46歳のリリーは「悲しみが積み重なるだけ」「子供の想像の産物」「引いた弓」「どんどん苦しくなってくるよ」「人間は汚れれば汚れるほど涙もろくなる」「人生最大の暇つぶし」と大人を小説家らしく語る。
44歳のスガは「捨てない足し算」「何故歌うのか」、39歳の宮藤・宮迫は「ずっと子供で」「上しか見ない」などと語る。25歳には見えない佇まいと落ち着きの白鵬関は土俵の戦う顔ではなく、温かく優しい顔で迎えてくれる。
 52歳の私には、既に通過してきた年齢の方の言葉はよくわかる。「その年齢であればやっぱりそう思うよな」と思う。54歳の2人とは思うことも近い。子供の時のその年齢のイメージは、もっと分別の付いた初老の大人であり、いまの自分よりも遥かに大人であった。いざ、なってみると内面は子供の時とあまり変わっていない。77歳になればそんな風に思うものかと感心する。若いことの良さ、歳を重ねることの素晴らしさを、ビールを媒介にして、うまく表現している。ときにCMは番組そのものよりも面白いことがあり、一つ一つのメッセージが感動的である。クリエイターのたった数分間での芸術だ。だから、注意をして観るようにしている。
 さて、なんだかサッポロ黒ラベルが飲みたくなってきたぞ。今晩は黒ラベルを飲みながら「大人について」考えよう。「またCMに影響され易いんだから」と妻には馬鹿にされそうである。