神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

「キャッチボール屋」

macky-jun2010-11-22

  今日は有休を取っており、実は4連休だった。だけど、土曜日は大学院の授業があり、日曜日は実家の大掃除に出かけていたので、今日はのんびりしたかった。仕事もちょうど案件の狭間であり、まさにいい頃合いだった。あいにく天気も悪く、昨日の疲れを癒すべく、何処にも外出せず、一日引きこもり生活をした。
 メールを打ったり、ブログを書いたり、10年も使っているオーディオの調子が悪いので、ネットで修理業者に見積もりを依頼したり、それなりにやることはある。読みかけの浅田次郎「ハッピー・リタイアメント」を読み、お腹が空けば、自分でラーメンを作り、コーヒーを淹れる。
 昼下がりに、テレビ東京で「キャッチボール屋」という聞いたことも無かった邦画を観る。「ハゲタカ」や「龍馬伝」の武市半平太を演じた大森南朋が主演してたのと、変わった題名に惹かれ、観たのだった。
 昔、高校時代野球部の補欠だった青年が、失業して出席した同部の同窓会をきっかけに東京に出てくるのだが、何故出てきたのか忘れてしまう。たまたま公園で出会った、キャッチボール屋に代役を頼まれる。10分間100円で、キャッチボールの相手を勤める変わった商売だ。やはり過去に忘れ物をしてきた人々との交流が、キャッチボールを通して生まれる。主人公は次々と現われる、不思議な出会いを自然に優しく受けとめていく。個性を主張せず、受け身ではありながら、自然な感じがとても好ましかった。
 人と人との交流はキャッチボールのようなものだ。相手を気遣い、思い遣りながらボールを投げ、相手の投げてくるボールから心の状態を読み解く。”心のキャッチボール”とはよく言ったものだと思った。自分が昔やっていたキャッチボールはどんなものだったか。
 人は過去にいろいろ置き忘れてきたものがある。だけど、新しい未来に一歩踏み込むには、どこかで過去に決別すべく、整理をつけなければならない。何か突飛なことが起きるわけでもない、静かな映画であったが、とても哲学的な示唆が含まれた映画であったように思えた。