神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

 「A Long Vacation」 

macky-jun2010-07-31

  この時期になると引っ張り出してきて、必ず聴くアルバムがある。大瀧詠一の「A Long Vacation」である。1981年の作品であるから、学生時代からかれこれ30年来のつきあいになる。途中からはCDでも買い、i-Phoneにも入れてあるから、それこそしょっちゅう聴いていることになる。
 これだけ聴いているにもかかわらず、飽きがこないのだ。時代が変わっても、色褪せることがない。弾けるようなリズムの「君は天然色」から始まり、悲恋を情感たっぷりに歌った「さらばシベリア鉄道」で終わる10曲は珠玉の玉手箱というか玩具箱だ。昔からTV-CMで使われた曲も多く、どこかしこで聴いた曲だと気づくが、不思議とヒット曲は少ない。太田裕美が舌が短いのではないかと思われる、独特な甘ったるい声で歌った「さらばシベリア鉄道」ぐらいだろうか。だけど、夏満載のSummer Vacationを歌った筈のアルバムに、何故冬の歌である「さらばシベリア鉄道」が混じってしまったのだろうか。未だに疑問である。
  このアルバムは青春のある情景をうまく捕えて、美しくユーモアたっぷりに描くのに成功している。好きな曲は「カナリア諸島にて」「恋するカレン」、楽しいのが「FUN×4」である。
 このアルバムの面白さの一つは、奇抜な歌詞であろう。それも無理やり押し込んだかのような歌詞である。「Pap-Pi-Doo-Bi-Doo-Ba物語」では”きのうは近所 明日は砂漠””あの娘の 態度が急変 硬直化した キラメクスタイル 謎めくスマイル 教えておくれ How do you feel?””言うことミーニングレス することシューチレス”。「わが心のピンボール」での”淡い髪に指を伸ばした時「今夜 髪を洗い忘れたから・・・」柔らかな背中の冷たい拒絶”には思わずドッキリ。「さらばシベリア鉄道」では”ぼくは照れて愛という言葉が言えず 君は近視まなざしを読みとれない 疑うことを覚えて 人は生きてゆくなら 不意に愛の意味を知る”。
  サウンドに歌詞を無理やりぶちこんだスタイルは桑田圭祐にもよく似ている。1曲を除いて、作詞/松本隆、作曲/大瀧詠一のコンビだ。人生という「A Long Vacation」には辛い別れも、楽しいユーモアもいっぱいあるということだろうか。
 直ぐ近くに海岸もありそうな、リゾート地のプールサイドを描いた、ジャケットの図柄がとてもいい。これこそ憧れの「A Long Vacation」である。来週から一週間夏休みを取るが、今年もこうした優雅なSummer Vacationには縁がなさそうだ。