日本敗れる

　Wカップ決勝トーナメント第1戦パラグアイとの初のベスト8をかけた闘いであった。勝負は互角、ボール占有率(Possession)はパラグアイが上、シュートは日本が多かった。結局、延長まで含め120分の死闘はスコアレス・ドローに終わり、PK戦になった。
　PK戦は可哀そうである。まして120分も死力を尽くした結果が、こんなにあっさりと決まってしまうのには納得がいかないものがある。くじのようなものだ。結果、日本では駒野がバーに当て外してしまう。
　残酷な結末である。PKは決めるのが普通なので、ミスをした方が負けてしまう。ミスを誘うための、落とすためのゲームである。だから、サッカーとは別物と考えた方がいいのではないか。
　かのロベルト・バッジオはブラジルとのWカップ決勝が史上初のPK戦となり、ダフッて芝を蹴ってしまったのか、大きく枠を外してしまったことがあった。数々の栄光に包まれた男にとってはさぞ無念であっただろう。
　ゲームは引き分けであったと考えるべきだろう。120分で決められなかったから、勝ちの資格を貰えなかっただけだ。日本チームは当初期待されなかったから、予想外の健闘ということで好感をもって健闘が讃えられた。日本・韓国共催Wカップの時も同じベスト16であったが、勝てそうなトルコに負けたことから評価は厳しかった時とは大違いである。周りの評価とはいいかげんなものだ。どんな世界であろうと、当事者は気にするものではない。ただ自分を信じられるかのみだ。むしろあまり期待されない方が、伸び伸びプレーできるし、アップグレードにつながる。
　だけど、今回はこれで十分でした。これ以上続くと、睡眠不足で体調を崩しそうです。もう充分楽しませてくれたので、日本チームに感謝です。ベスト８は次回を楽しみにしたい。