神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

相次ぐ粉飾事件 

macky-jun2010-06-11

 実態よりもよく見せかけようと、架空の姿を作ったりすることを粉飾という。人は何故飾ろうとするのか?東証マザーズ粉飾決算で揺れている。シニアコミュニケーションが6/4に上場以前からの架空売り上げの計上を公表した。ついこの前、マザーズでは上場からわずか6カ月のエフオーアイ粉飾決算による上場廃止となり、破綻したばかりである。
 相次ぐ不祥事に呆れるばかりである。シニアコミュニケーションは架空売り上げの計上や不良債権の正常債権への偽装が上場前の2005/3期から始まっていたという。進行基準での売り上げ計上したものが、契約金減額や未収が生じたかららしい。過去6期分の修正分22億円で、会社の継続自体が大きく懸念されることとなった。
 エフオーアイに至っては前期売上高118億円の内、115億円が架空売り上げであったというから驚く。つまり実際の売上高は3億円のみで97%が水増し分であった。上場したのが09/11/20であり、09/9中間期の売上高を48億円と公表していたが、実際にはわずか500万円であったらしい。海外に実在する半導体メーカーの名前を悪用し、架空取引を行なった。実際には売れたことになった半導体製造装置は都内の倉庫に”納品”されていたというから笑える。そもそも同社の売上債権は2年以上のサイトであり、如何に検収期間が長いとはいえ、ビジネス常識からはありえない水準であった。
 現在、両社の経理操作については全容を解明中である。両社については共通点が多いと指摘されている。東証の審査体制や主幹事証券や監査法人への責任追及も厳しくなろう。ライブドア事件以来のインパクトのある不祥事である。審査のハードルが益々上がり、新興市場がさらに冷え込むのではないかと危惧している。