神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

蓄電池の時代

macky-jun2010-04-29

  電池の世界が熱い。産業構造を根本から変える可能性を秘めた蓄電池(二次電池)がブレークしている。地球環境問題から脱石油、Co2削減が叫ばれており、電気自動車、太陽光発電などの分散型電源、そしてスマートグリッド(次世代送配電網)の中核技術となるのが、蓄電池であり、特にリチウムイオン電池に期待が集まっている。
 そもそも電池には、使い切り電池(一次電池)と、充電すれば何回も使える蓄電池(二次電池)がある。そして、蓄電池の歴史には1859年に鉛蓄電池が発明されてから150年もの長い歴史があるのだ。1899年にニッケルカドミウム電池ニッカド電池)が開発され、1990年になって松下電池工業と三洋電機ニッケル水素電池を、1991年にソニーリチウムイオン電池を実用化する。だから、漸く20年前に革命的な出来事があったのである。
 この世界では日本が先頭を行っており、リチウムイオン電池では三洋電機が34.1%のシェアでトップであり、以下ソニー17.2%、サムスンSDI(韓)15.1%、パナソニック9.0%、BYD(中)8.9%、LG化学(韓)7.8%となっている(2008年度)。世界シェアの60%を日本が占めているのだ。しかし、ここでも韓国・中国が猛烈に追いかけてきており、年々シェアを奪われている。かつて、半導体、液晶で、近年では太陽光発電で、日本がトップの座を追い落とされたことがあった。リチウムイオン電池の世界でも似たようなことがないとも限らない。韓国、中国、米国では国策として奨励し、バックアップをしているのだ。
 しかし、リチウムイオン電池の材料となる正極材、負極材、セパレーター、電解液の4つの要素では日本が圧倒的な強みを有しており、複雑な化学反応を扱う電池の世界では一朝一夕には日本に追いつけないだろうという見方もある。日本のお家芸と呼ばれる産業が減っている中で、未来の有望産業である蓄電池では何とかその地位を守っていきたいものである。その為にも、もっと国としての積極的な支援が必要に思うのである。