神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

今度はドバイショックかい

macky-jun2009-12-01

リーマンショックから1年が経過し、経済が小康状態を保ったと思っていた近頃であったが、先週、ドバイショックが世界中を襲った。11/25ドバイ有数の政府系持ち株会社である、ドバイワールドと傘下の不動産開発会社ナキールの債務について、突然返済延期を求めると一方的に発表したのだった。
 両社の債務は590億ドル(約5兆1000億円)と巨額である。12月期限のイスラム債35億ドル等の償還が難しくなり、泣きついてきた。ドバイ政府や政府系企業が抱える債務は総額800億ドルともそれ以上に上るとも言われている。これにより、格付け機関が一斉に格下げした為、当面、ドバイが金融市場で資金調達するのは難しくなる。CDSクレジット・デフォルト・スワップ)の保証料率も50%も上昇した。
 ドバイワールドは米高級衣料品専門店バーニーズ・NYを買収し、幾つかの企業群を持つ政府系持ち株会社であるが、傘下のナキールはヤシの木の形の人工島造成で有名なドバイの勢いを牽引した象徴的な存在である。原油を殆ど生産しないドバイが「原油に依存しない経済」を目指し、大型開発を進め、砂漠に忽然と誕生した未来都市には、誰もが首を傾げたものだった。みんなが不思議がりながらも、開発は進んだ。しかし、案の定、リーマンショックの影響で資金調達が苦しくなり、行き詰ってしまったようだ。
 日本のゼネコンや邦銀への影響も大きいだろう。一寸先は闇である。二番底とエコノミストが言っていたことが現実化しそうである。それにしても、経済に全くの素人でも、胡散臭く思っていたドバイの開発に、プロであるゼネコンや金融機関が何故引っかかってしまうのだろうか。我々のような投資をビジネスにしている者には、耳が痛いが、渦中にいると普通におかしいと思うことが、判らなくなっていることがある。ムードというものに牽引されてしまうことがある。そんな時はいったん引いてみて、客観的に第三者の眼で見ることができるかが大事であろうが、なかなか難しいものである。慾という感情に負けてしまうのではないかと思う。