神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

 「クリスマス・キャロル」

macky-jun2009-11-18

  11月も中旬を過ぎると、街ではクリスマスツリーやイルミネーションが輝きだす。一年中で一番、街が活気づいてくる季節だ。こころなしか自分の気持ちまで浮き立ってくるから不思議なものである。逸早く登場する商業主義のクリスマスを別にすれば、クリスマスを話題にするのはまだ早い。しかし、この話題だけはいつ書こうか、早く書きたいなと、実はうずうずしていたのだ。
 「クリスマス・キャロル」が好きである。今から160年前に書かれた英国の文豪チャールズ・ディケンズの名作である。子供時代から何度となく、読み返した小説だ。10数年前に英国出張に行った折には、ロンドン気分を盛り上げようと、新潮文庫の「クリスマス・カロル」(何故か?カロル)を持っていき、機中で読んだこともあった。
 先週の土曜日(11/14)から、映画「Disney'sクリスマス・キャロル」が上映されている。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のロバート・ゼメキスが監督で、ジム・キャリーが主人公のスクルージを演じている。制作発表の時から楽しみにしていたが、昨日、娘がさっそく友達と観てきた。感想を聞くと、「まあまあかな。」だった。何ともガックリのコメント。  
 我が家には、1970年にミュージカル版として映画化された「クリスマス・キャロル”SCROOGE"」のLDがある。10年程前に取得したもので、LDがDVDに代わっていく頃で、秋葉原で半値ほどで買ったものだった。今ごろ、LDなんか観ている人は珍しいよね。もはやハードも売っていないんじゃないだろうか。そのミュージカル版を毎年クリスマスになると、私が観ていたので、我が家の子供はすっかり辟易として飽きていたようなのだ。しかし、昨日の娘のコメントはミュージカル版と比較してのものだったようだ。また、Disney映画としての最新作だったので、尚更期待したようなのだ。
 それもその筈である。1970年ミュージカル版のスクルージ役は名優アルバート・フィニー。そして、マーレイの亡霊役がこれまた大俳優のサー・アレック・ギネスだ。アルバート・フィニーはこの頃まだ30代前半の若手俳優であるが、20代、30代、そして年老いたスクルージを見事な扮装で演じ分けている。ケチで思いやりのない、街中の嫌われ者から、慈悲深い人間に改心していく姿をうまく演じている。
 実はこの映画には古い思い出がある。小学校6年の時だったと思うが、学校行事として集団で歩いて、自由が丘劇場までこの映画を観に行ったことがあるのだ。「クリスマス・キャロル」はそれ以前にも、過去何度か映画化されているが、小学校6年=1970年(万博の年)という年代の一致と、劇場上映ということからすれば、おそらくこのミュージカル版を観ている筈だ。なにより、買ったLDをあらためて観た時に、前に観たと感じた印象があった。
 当時もいたく感動し、観終わってから、今は商社マンとなったクラス1の秀才だったMくんと、熱く感想を話し合いながら、歩いて帰った記憶がある。クリスマス・イブの晩、スクルージは過去、現在、未来の亡霊たちに導かれ、時間旅行をする。その壮絶な体験から、翌日目覚めた彼はすっかり別人の、誰からも好かれる好人物に生まれ変わる。スクルージが子供たちや街の人たちと、踊りながら唄い、街を行進する。とても明るく、躍動的なシーンである。「人は、いつでも変わることができる」という極めてシンプルだけど、希望に溢れたメッセージをディケンズが伝えてくれる。