神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

官僚たちの夏

macky-jun2009-09-06

  「官僚たちの夏」が面白い。選挙で中断していたが、今日から第2部として再スタートした。TBSは昼間、2時間も使ってスペシャルダイジェスト版を放送していた。一粒で何度も美味しい、TV局らしいやり方だ。このドラマの面白さは日本の戦後の産業史を実話で描いていることだ。尤もドラマの登場人物や企業名はそれと分かる形で、仮名が使われている。
 主人公は元通産次官でMr.通産省と言われた佐橋滋がモデルと言われる、風越慎吾である。生粋の国内産業育成・保護派である風越は、国際派で自由化論者である、同期入省の玉木と対立する。池田隼人首相が池内首相、佐藤栄作首相をが須藤首相として出てくる。其々の首相を対立軸として、通産省の役人たちが派閥に分かれ、熱く活動する。
 この時代の通産官僚はとても国家や産業界に近く、官僚がまさに国家を動かしていると感じられるが、政争の具にもされていたなとも思った。しかし、いまになって思えば、風越の国内産業育成派が正しかったのか、玉木の国際自由化派が正しかったのか。お互い次官レースの中で、政策での対立軸が築かれただけなのかもしれない。官僚たちも国家を想い、その時々にこの国に必要な政策を考えていったのだろう。国内産業もまだまだ弱かったので、通産省がリードしていく必要があった。おそらく、両者の政策はどちらが悪で、どちらが善といったものではないのだろう。
 私の所属した銀行も、通産省とタッグを組んで「天下国家論」をたたかわし、日本の産業育成に励んできた。そもそもそうした産業史の1ページに関わりたいと思ったのが、志望の理由でもあった。だから、このドラマに共感する部分が多いのだろうと思う。
 ドラマは日本産業史であると共に、ドロドロとした激しい権力闘争の物語である。だけど、今日のドラマを観ていて、池内首相も玉木次官も、最後に何故、みんないい人になっちゃうものか、やや不自然な気がしたと感じたのは、私だけだろうか。
写真はミシェランガイドで「快適なホテル」に選ばれたアグネスホテルの敷地内に、最近できたPatisserie「Le Coin Vert」です。この日立ち寄って買った、200円のコーヒーシャーベットを食べながら、神楽坂を散歩しました。