神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

TBS「最後の赤紙配達人」

macky-jun2009-08-10

今晩のTBSシリーズ激動の昭和「最後の赤紙配達人」はなかなかの番組であった。TBSらしく実話の取材に基づくドラマとドキュメンタリーでの構成は、昨年度の「東京大空襲」を彷彿とさせたいい出来栄えだった。こうした番組が作れるのは、NHKとTBSであると思っている。観てるのがとてもつらかった。その位、心情を揺さぶるものがあった。
 主人公の西邑仁平(吉岡秀隆)は滋賀県大郷村役場の兵事係であり、赤紙の配達や戦死者の家族への伝達などが任務である。「おめでとうございます」と言って赤紙を手渡すという、とても辛い職務を任され、自分の仕事に疑問を抱くようになる。受け取る側ではなく、届ける側の苦悩を描いた珍しい話である。
 西邑仁平氏は実在の人物であり、現在104歳。敗戦後、徴兵関係書類を焼却処分するよう軍から命令されるが、家に隠す。真実を残したかったという。当時、各市町村に兵事係がおり、同じように軍への召集命令が為されていた。西邑仁平氏がこの書類の存在を明かしたのが3年前という最近のことである。
 それら資料をもとに、1年がかりで番組制作を行なった。歴史分析としてはとても面白い視点からの検証になる。こうした地道な、硬派な番組作りが出来るのが、TBSの強みであると思う。かつての実力No.1民放局は、いまは他局に押されている感じが否めないが、こうした番組を観ると、やはりいい人材が揃っているなと安心できる。今後も、いい番組作りを期待したい。