神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

(12) 神楽坂路地散歩

macky-jun2009-07-29

さる日曜日、床屋で理髪を済ませた後に、ぶらぶらと神楽坂の裏道を散歩した。神楽坂は通りを一本中に入った路地が面白い。石畳の路面が続く、かくれんぼ横丁の黒塀の料理屋の前に、氷で満たされた金属の大きな器に冷やされた大きなペットボトルが2本、”ひやしあめ一杯50円”と書いてあり、賽銭箱のような小さな箱に自主的に入れる仕組みになっている。”ひやしあめ”というのは、昔の小説に出てくるので知ってはいたが、さてどんな味がするものか、と興味津々、50円を入れ、飲んでみる。生姜の味がきいた、水飴を飲み物にしたような甘いけど爽やかな味だった。何とも、この和の雰囲気に合うのだった。暑い夏の昼下がり、一瞬の涼をいただいた。なかなか、この街も粋なことをするようになったな、と思った。
 年輩の女性二人連れから、「かくれんぼ横丁というのは何処ですか」と聞かれ、案内する。つっかけのサンダルで歩いていると、いかにも地元の人とわかるのだろう。この辺りは、テレビドラマ「拝啓、父上様」の舞台になったところだ。黒塀と石畳がいかにも、神楽坂の料亭街っぽいのだろう。昨年、大きな火事があり、古い旅館・料理屋が焼けた後に、鉄筋鉄骨造りのビルが建った。いかにも無粋だと、反対する向きもあったが、出来上がった建物にはそれぞれ特色を持った、面白そうな洒落た料理屋(一頭牛丸ごとの焼き肉屋、屋上イタリアン、和食・・・)が入った。古い建物をリニューアルし、現代的に生かした店もある。いずれにしろ、またこの界隈の魅力は増したように感じた。新しいものに、ただ反対するだけの姿勢は衰退すると思えた。古きを生かし、時代に合わせた新しさを取り入れた処に、永続的な発展があるように思う。
 更にぶらぶら歩き、アグネスホテルの方向に、小栗小路を抜けて行くと、シニア女性二人がガレッジセールと称し、青空市のようなことをしていた。そこで、一目見て気に入った薄緑色(モスグリーン)のブックカバーを、なんと80円という安さで購入した。しかも新品で、布のザラザラとした感じがよく、夏のこの時期に使うのにぴったりの逸品でした。私のお気に入りになりそうです。街角では拾いものや発見があります。誰かが、確かドラ・トーザンさんだったと思うけど、神楽坂はパリのモンマルトルやカルチェラタンに似ていると言っていた。
 都心の隠れ家的なしゃれたホテルとして、有名なアグネスホテルの隣に、同ホテル経営の高原風のケーキ屋さんが新しく出来ていた。朝、チラシが入っていて、娘が帰りにここのシャーベットを買ってくると言って、出かけていったので、この日は残念ながら入らなかった。ますます観光地化するこの街、なんとなくワクワクしてきた。地域に人が外部から集まって来る。また、地元もそれを受け入れるべく、進化、努力をする。これこそ、地域活性化、進化する街の条件である。