神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

平塚八兵衛から学んだこと

macky-jun2009-06-21

   昨日(20日)は地蔵坂にあるいつも通う理髪店に行った後に、神楽坂の商店街をぶらぶら歩いた。休日の神楽坂は外から遊びに来ている人達が多く、和やかな、柔らかい空気が流れている。本屋でさっそく、太宰治の短編集「走れメロス」、「文豪ナビ 三島由紀夫」(新潮文庫)を買ってくる。たぶん、昔読んだので、実家の書棚にはあると思うが、いまの文庫は活字が大きく、読みやすい。あんなに小さな活字で、昔の人たちはどんな風に読んでいたのだろう。隣の大野屋精肉店で、酒のつまみにアジフライを買ってくる。
 アジフライを肴にビールを飲みつつ、太宰の本をめくる。この短編集には、表題作のほかに、「ダス・ゲマイネ」「富嶽百景」「女生徒」「東京八景」・・・など楽しみな作品9篇が収録されている。酒と本、好きなものと附き合う土曜日の夜の時間は楽しい。短編集なので、通勤途上で楽しもう。
 夜は「刑事一代〜平塚八兵衛の昭和事件史!」(テレビ朝日)というドラマを観る。昭和の有名な大事件に絡んだ名刑事の話だ。ざっと挙げただけでも、帝銀事件、吉展ちゃん誘拐事件、3億円事件・・・。ドラマ外でも、小平事件、下山事件等、昭和の代表的な事件には悉く絡んできた。叩き上げの現場派刑事で、キャリア警視正の上司と歯に衣着せぬ発言で対立するは、同僚ともしょっちゅう喧嘩をする”喧嘩屋八兵衛”と呼ばれた。ドラマは渡辺謙平塚八兵衛を演じ、脇役陣も凄い顔ぶれだった。柴田恭兵が尊敬される上司役で出ていたが、刑事なのに「あぶないデカ」の刑事風ではなく、「ハゲタカ」の芝野風だったのが、笑えた。今晩(21日)後編がある。
 八兵衛が「俺たちデカには100点か、0点しかないんだ。80点、90点とか中途半端な点数はないんだよ。」という言葉にズキンと来た。”現場”を知っているか、というのがキーワードであったが、俺たちベンチャーキャピタリストにも通じる言葉だと思った。社内で議論をしていると、投資を過去に一度もしたことがない、しかも、その会社の経営者にも会ったことのない、すなわち、”現場”を知らない人間から、ボロクソに言われることがある。どの世界も似ているな、と笑えてしまった。”現場”にいる我々は、八兵衛のようにプロとしての勘を働かせ、粘り強く、決して諦めることなく、頑張らねばならない。いいドラマだった。