神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

「バブルへgo!!」

macky-jun2009-05-09

  バブルというものはいずれ弾ける運命にあるが、1990年のあの時、MOFが不動産融資に対する規制を打ち出さなければどうなっていただろうか?つい最近の話でも、ポールソンがリーマン・ブラザーズの救済を決めていたらどうなっただろうか。政策判断の誤りで、とんでもない方向性に行ってしまうことがある。娘が借りてきたDVD「バブルへgo!!」を一緒に観た。経済学部に所属する娘は授業でこの映画の話が出て、興味を持ったらしい。2007年の映画であるが、実は私自身も馬鹿らしいと思いながらも、観たいと思っていた経済パロディー映画である。
 ストーリーは、舞台は2007年。800兆円の借金をかかえ財政破綻の危機に瀕した日本を救うため、財務省特別緊急対策室の下川路(阿部寛)は、ある計画を進めていた。それは17年前の1990年にタイムスリップし、"バブル崩壊"を止め、歴史を作り変えるという計画である。不動産融資取引規制法の施行が、バブル崩壊の元凶であるとのことで、それを止める為に、送り込まれることとなった。その極秘プロジェクトが白羽の矢を立てたのは、借金返済に追われるフリーター真弓(広末涼子)だった。真弓はタイムマシンの開発者であった真理子(薬師丸ひろ子)の一人娘。一足先にタイムスリップした母親の真理子が、90年の東京で失踪したことを知った真弓は、借金から逃れるため、そして母親を救うためドラム式洗濯機に乗り込み、タイムスリップを決行する。
 内容はドタバタ喜劇であるのだが、90年のディスコ(当時はまだ”クラブ”とは言わなかった)が出たり、現在はサラ金の借金取りになっている田島(劇団ひとり)が入社予定の銀行がチョー銀であり、真弓から潰れるから止めた方がいいと言われたりする。他にも、飯島愛飯島直子ラモス瑠偉とかが登場し、本が当たるとか、CMの話が来るから頑張ってとか、ドーハでのロスタイムに気を付けて、とかアドバイスをする。また、携帯がまだ無い世界であったり、駅の改札には人がいたり、若者の使う言葉も今とは違っていたりする。
 1990年に、私はまだ32歳。銀行本店の国際営業部で、在日外資系企業の営業をしており、日夜、六本木・赤坂・青山の街並みを闊歩していた。ゴルフも遊びも楽しい盛りであり、仕事も遅くまでしていたけど、よく遊びもした、そんな時代だった。バブルのあの時代をまさに味わってきたから、よくわかるし、とても懐かしくもあった。だけど、あの時代、どうしてれば良かったのだろうと思う。あの当時、映画のその時代の登場人物が、この景気がいつまでも続くと思っていたように、我々もそう思い込んでいた。その後の失われた15年という長い不況期を迎えるなど、思いもよらなかった。まして、その後に今回の世界金融危機が待っていたなど、全く予想外の出来事である。
 映画の中で、不動産融資取引規制法を強行すれば、日本は破綻しますと、MOFの下川路がスピーチするシーンがある。それに対して、貴方ならどう対処しますかと聞かれ、「自分の仕事を一生懸命やり、仕事が終わったら、家族のもとへ帰ります」と答える。やはり、金の使い方を始めとして、タガが外れ、おかしいと思う時代がある。周りが皆その風潮に染まってしまうと、何がおかしくて、何が正しいのか、判断がつかなくなることがある。だけれども、いつの時代も正しいことは同じなのだろう。自分の軸をしっかり持って、惑わされずに、冷静な判断、慎ましやかな暮しができるようにありたいと思う。