神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

「ハゲタカ」再び

macky-jun2009-05-06

 朝から雨が降っている連休最終日。明日から仕事かと思うと、この天気のように気分も憂鬱である。NHKドラマ「ハゲタカ」再々々放送をまたしても観たのだった。HDDにも録って観てたので、既に5〜6回目だろうか。まあよく飽きもせず、観るなと思うが、1年ぶりだったのでそれでも新鮮だった。昨日、今日と3〜6話を放送で観たが、見逃した1・2話をHDDで観たのだった。
 ちなみに6/6から映画版「ハゲタカ」を上映するらしい。ストーリーは新しく、日本の自動車メーカーを中国ファンドと競って、M&Aを仕掛ける話のようだ。何でも昨秋のリーマンショック以降の世界金融危機で、脚本の8割が書き直されたらしい。出演者はドラマ版とほとんど一緒である。ライバルの中国系ファンドの劉役で玉山鉄二が加わる。
これだけ連日観ると、佐藤直紀の音楽が耳を離れなくなる。このサントラ盤CDも実は持っているのだ。佐藤の音楽は民俗音楽のような調べが時々はさまり、多彩だ。エンディング・テーマ・ソングが「嵐が丘」の作者として有名な英国のエミリ・ブロンテの「Riches I hold in light esteem(富は問題にならぬ)」という詩にメロディをつけるなど洒落ている。
 このドラマの主人公は芝野健夫であろうか、鷲津政彦であろうか。そんなことはどうでもいいのかもしれない。W主役という設定なのかもしれない。それにしても芝野はとても辛い目に、何度も遭っている。何度も葬儀の場面が登場し、その都度、遺族から恨みを言われたり、「二度と顔を出さないでくれ」などと言われてしまう。常に一生懸命、誠実に業務をこなしているが、誰かの恨みを買ってしまう。つくづく銀行員、金融マンもしくは再生担当役員というのは、損な、辛い職務だと思ってしまう。自分も同じ職業の端くれであったから、尚更、感情移入してしまうのだろう。
 銀行という組織の論理と、顧客を思う気持ちとの板挟みになるケースに遭遇することは多い。この仕事の宿命と言ってしまえば、それまでだが、ドラマのようにそれが時に人の生死につながる場合もある。芝野は将来を嘱望されるエリート街道を走っていたが、「残りの人生を自分に言い訳をしながら生きるのには長すぎる」と言って、みつば銀行を去る。ターンアラウンドマネジャー(企業再生のプロ)となった彼は、大空電気再建でリストラ担当の役割を押しつけられ、そこで部下に自殺されてしまう。どこに行っても同じような人生が待ち構えている。
 芝野を演じる柴田恭兵は、何年か前に息子さんを亡くされている。そんな柴田の苦しさ、辛さを背負った姿が、この「ハゲタカ」の芝野での名演技となっているように思うのである。
 ちなみに、2007/12/24にも、ドラマ「ハゲタカ」についてブログに書いております。ご参考まで(http://d.hatena.ne.jp/macky-jun/20071224