神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

VC業界でもリストラの嵐

macky-jun2009-04-01

今日からまた新しい年度の始まりである。流石にこの日ばかりはとても清新な気持ちになる。私にとっては社会人として、今年で28回目を迎える4月である。よくも今まで、無事に(?)続けてきたなと感心することしきりである。全国至る組織で人事異動があり、新入社員が発令となり、津々浦々、民族大移動である。
 我がグループでもかつてない程の人事異動があったし、こじんまりとした我が社においても異動があった。トップが替わった。私の属する部でも若干の異動があった。来週には組織変更が発表され、席替えもあるのだろう。春はいずれにしろ、新しいスタートの時である。こうした節の切れ目は有難いものである。昨年度のことは兎も角として、今年度はまた新たに頑張ろうか、という気持ちにさせてくれる。
 さはありながら、新興市場の厳しさを受けて、我がVC業界でもリストラの嵐が吹き荒れている。人減らし、実質新規投資のストップ、組織の変更・・・が至る所で聞こえてくる。この間、私の友人も何人かこの業界から去っていった。さるVCでは投資担当の人員を半分に減らした。親会社に人事異動で返したようだ。上場会社である、日本アジア投資(JAIC)のケースでは、希望退職20名を募り、既に18名が応募したようだ。公表している情報によれば、09/3期業績の下方修正を数日前に発表し、当期利益が▲150億円→▲350億円に、マイナス200億円もの修正を行なった。資本勘定が前期380億円であったので、債務超過まで薄氷の思いだろう。資産の時価評価いかんでは債務超過が現実となる危ない水域である。同社国内6店あった支店を、大阪・広島の2つに集約し、本社も移転するようだ。
 同社ばかりでなく、同じく上場企業の大和SMBCキャピタルでも、大規模な組織体制の変更と人事異動を発表している。未公開のVCとても、どこでも似たような状況であろうと思われる。いい時は滅法よく、悪い時は谷深しのベンチャーキャピタル(VC)業界は常に市況の変動をもろに受け易いのです。なので、悪い時はひたすら身を縮めて、良くなったら一気呵成に攻め込む、というのがこの業界の特色です。ただ一つ、他の市場ビジネス、株式関連ビジネスと違うのは、タイムラグがあるということです。我々の行なった投資は直ぐ結果は出ずに、3,4年経った後に表れるからです。投資した会社が成長し、公開できるようになるまでには最低でも2〜3年はかかります。
 一方で、株式市場が冷え込んでいるときは安く株式を取得できるチャンスでもあります。だから、ビジネスチャンスともいえます。しかしながら、こうした時は事業会社側も公開については冷めきっているケースが多いので、そもそもビジネスディール(投資)自体が無くなります。こんなタイミングで資金が必要になる企業は、どうしてもリスクが高く、我々も近づきにくいものです。本当に有望なビジネスを持っていて、これを伸ばしていけ、かつ資金もうまく調達できる企業は極めて稀な存在です。だから、こんな時まったくサボっていてもいけないし、少ないチャンスを見つけるべく、眠っている玉を選別すべく、頑張るしかないのです。