神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

ヒール朝青龍の復活優勝

macky-jun2009-01-25

 朝青龍が復活優勝を遂げた。やれ引退だ、横綱失格だとくそみそに言われた朝青龍の優勝である。全勝で迎えた千秋楽本割で、白鵬との横綱決戦で、立会が悪く、意外にもあっさり負けた。しかし、優勝決定戦で集中力を発揮して、見事に勝ち23回目の優勝となった。場所前では稽古不十分の準備不足から出場さえ危ぶまれていたほどだった。稽古総見では白鵬にまったく歯が立たなかった。だけど、本番に入り、徐々に力を発揮し、誰も朝青龍を止められない勢いだった。今場所は朝青龍劇場とも言われるほどの人気ぶりだったが、いろいろと問題を起こし、悪役(ヒール)の朝青龍が強いと、やはり相撲は面白い。興行的にも相撲協会にとっては最高の仕上がりになったのではないだろうか。
 朝青龍は怪我を理由に巡業を休み(サボり)、モンゴルに帰郷、そこで中田英らとサッカーをしていたことがばれてしまい、問題になった。その後、彼は調子を狂わせ、精神的にも弱り(本当かどうかは疑問だが)、優勝からも遠ざかるばかりか、欠場が続き、引退さえ噂されていたほどだった。土俵上での睨みやだめ押しの行為が問題となる。稽古ぎらいだとも言われる。土俵外での素行も悪いと、とにかく頗る評判が悪い。すぐに横綱審議会なるものからは「横綱としての品格に欠ける」と言われ、問題になってしまう。散々だ。しかし、その朝青龍が強いと、不思議なことに皆応援している。憎たらしいほどの強さに人は憧れる。やはり、格闘技には悪役と正義の味方が必要だ。うるさいこと言わないで、こんな横綱がいてもいいのではないか。世の中、真面目な奴ばかりでは面白くないだろう。どの世界でも必ず、問題児はいるじゃないか。
 大相撲の横綱は二人ともモンゴル出身で、モンゴル勢は他にも多い。ロシア、ブルガリア・・すっかり国際競技となった感じだ。もとより、少し前までは曙、武蔵丸という横綱と、小錦という大関がハワイ出身だった。その昔は高見山がいた。トンガ勢が多数入門してきたこともあった。日本人の横綱、優勝者が現れないのは寂しいことであるが、日本の国技を世界中の強い若者が集まって、日本で競っていると思えば、誇らしい気持にもなる。そもそも豊かな日本に生まれ育った若者が、しごきで殺されちゃった事件もあったが、それほど理不尽にも、厳しい相撲部屋の修行に耐えられるわけもない。ハングリーな世界からやってくる海外若武者の世界になりつつある。今後とも強い日本人力士の出現を期待するのは難しいのかもしれない。
しかし、日本の若者も情けないばかりでなく、石川遼が17歳でマスターズ出場を決めたように、快挙もある。史上二番目の若さとなる17歳6か月での出場となるらしい。彼はプロになるや、最初は予選落ちも多く、苦戦していたが、優勝も果たし、終わってみれば賞金総額で1億円を突破し、国内5位だった。世界ランキングも60位まで上がった。体格もこの1年間でとても逞しくなった。石川遼の目標はマスターズ出場ではなく、マスターズ優勝だという。とてつもなくデッカイ目標で、これまで勿論実現した日本人はいない。彼の今後の活躍が楽しみである。3月には野球でWBCがあるし、4月にはマスターズだ。相撲も朝青龍が面白くしてくれそうだ。サッカーWカップ予選も終盤だ。この春は、スポーツが楽しみである。