神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

山田太一脚本「ありふれた奇跡」期待できそう

macky-jun2009-01-08

   山田太一が12年ぶりに手がけた連続ドラマ「ありふれた奇跡」が今日からスタートした。あの山田太一の脚本作品であることから、注目した。また、主演が仲間由紀恵、「それでもボクはやっていない」の加瀬亮という実力派俳優の初めての共演だ。主題歌もアイルランドのエンヤが透明感のある情緒たっぷりな音楽を奏でている。僕の好きなものが3つも4つも、組み合わさったような作品だ。それに加え、助演陣も陣内孝則風間杜夫戸田恵子八千草薫、井川比佐志、塩見三省岸部一徳等、実力者を揃え、フジテレビが如何に力を入れているかが分かる。
 ちなみに、ドラマのタイトルである「ありふれた奇跡」には、「自分たちが普段生活している中には、実は気付いていないだけで小さな奇跡がいくつもある、その奇跡に気づくことで希望が見出せるはず」という山田太一の思いが込められているそうです。その言葉のとおりこの物語は、偶然出会った心に傷を持つ男女とその家族が小さな奇跡を積み重ね、不器用にかかわり合う中で希望を見いだしていく。山田太一ならではのせりふ回しによる空気感に、実力派俳優の競演と、大人がじっくり楽しめる見応えあるドラマとなりそうだ。
 山田太一といえば、1987年の作品「異人たちとの夏」がいい。映画化もされ、今日のドラマにも出ている風間杜夫が主演で、亡くなってしまった両親の役を片岡鶴太郎秋吉久美子で、それぞれ素晴らしい演技をしている。幻の恋人役を名取裕子が、プッチーニの「私のお父さん」のオペラ歌曲とともに印象的だ。人の心の奥深くに訴えかける作品で、それが山田太一特有の味であり、原作を本でも読んだし、映画も何度も繰り返し観て、その都度、感動した。特に、浅草の「今半」で死んだはずの両親と主人公がすき焼きを食べるシーンで、別れがだんだん近づいてくる。母の秋吉が「気がせいて、うまく言えないけど、お前を大事に思ってるよ」 父の片岡が「自分をいじめることはねえ。手前で手前を大事にしなくて、誰が大事にするもんか」と言いながら、消えて行ってしまう。このシーンにはいつも泣かされてしまう。
 山田太一作品は心の根源に訴えかけるものを持っている。彼が何故12年もの間、連続ドラマから遠ざかっていたのか、僕は知らない。しかし、一つ一つの作品を丁寧に仕上げる人だから、納得できる作品が出来るまで、安易には出すことはしない人なのだろう。だから、彼の作品は信頼できるし、期待もしてしまう。
 ところで、今日はハードディスクに撮って、観ていたのだけど、残容量が少なかった為か、最後の部分が欠けてしまったのだった。いったい、なんてことだ〜!あそこで陣内はみんなに何を語ったのか、気になる。誰か観た人、教えてくれますか〜。