神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

篤姫最終回に寄せて 幕末〜明治維新に思いを馳せる

macky-jun2008-12-14

  今日でNHK大河ドラマ篤姫」が最終回を迎えた。一年間フルに飽きることなく、観とおすことが出来た稀有なドラマだったと思う。本当に堪能させて頂き、いつも6時からのBSハイビジョンでは、TVの眼の前にドカッと床に座り込み、一杯やりながら愉しんでいた。今日は1時間15分の延長版で、5時スタートだった。だから、今はまだ7時ながらこのブログを書いている。面白かった時は8時からNHKで、10時からBS-2で、更に土曜日NHK1:15PMとひつこくも飽きもせず、観ることもあった。4回も観るのは引退した老人ではなく、仮にも忙しいビジネスマン?が珍しいことと思われようが、その位、嵌まっていたし、過去にも「新撰組」で4回も観たことがあったが、とても稀な大河ドラマではあった。
 何がそこまで夢中にさせたかであるが、まずは宮尾登美子さんの原作に、脚本を書かれた田渕久美子さんの脚色の面白さに尽きるのではないか、と思う。人気となる幕末物であるが、女性の主人公、しかも歴史上、あまり知られていない、しかし重要な役回りを果たしたと思われる”天障院篤姫”を採り上げ、女性の視点から従来とは全く違う、”幕末”、”大奥”を描いていったことにあると思っている。歴史、もしくは歴史ドラマの好きな人に、違うポジションからの視点を与えた所に、面白さがあったと思う。ポジションによって、時代の見え方も違うし、真実そのものも違う。現在、歴史の教科書で我々が学んでいることも、たぶん真実からは違うと思うし、そもそも残っている歴史は施政者側の立場からのもの、というのが歴史の真実である。
 この「篤姫」もおそらく、宮尾さんと田渕さんの創作された小説である、と考えた方がいいし、ドラマの篤姫はあたかも、時の将軍よりも実権を握っていたかのように見えてしまう。実在の篤姫はそこまではと思い難いが、一方で、このドラマの篤姫にはとても共感してしまうのである。おそらく、篤姫を演じた宮崎あおい小松帯刀を演じた瑛太徳川家定堺雅人西郷隆盛小沢征悦大久保利通の原田泰三、和宮堀北真希、お幸の樋口可南子勝海舟北大路欣也、其々に当り役であった。若い宮崎がどこまで出来るかという思いはあったし、「女中顔のお姫様」と意地悪を言われたこともあったが、十分貫禄のある、巾のある演技だった。宮崎-瑛太という青春ドラマのキャストが、歴史上の人物として青春ドラマを描き、共に歳をとりつつ成長していくのも、良かった。但し、最近のNHK大河はこの路線ばかりのような気もしている。あまり、連発しすぎると軽く見られるし、飽きられるだろう。
 大奥を束ねる天障院の物語らしく、大奥の女中は魅力ある配役人だった。滝山の稲森いずみをはじめ、重野の中嶋朋子、忘れてならない幾島の松坂慶子(ある時期からとてもぶっ飛んだ女優になってしまった感があります)、本寿院の高畑淳子・・・。多くの魅力ある助演陣がこのドラマを盛りたてました。NHK大河ドラマの魅力はこの豪華・実力俳優陣にあることは確かであろう。この「篤姫」は当初20%位の大河ドラマ並の視聴率でスタートしたが、後半は30%近くまで上がったというから驚きである。通常であれば、徐々に落ちて行くのが普通であるが、「篤姫」の場合は次第に上がり、最期まで上がり続けた。異例の平日再放送があったりもした。
 今日の最終回を観て、元々好きだった明治時代の歴史をもっと学んでみたいという気になった。武士の時代から、近代国家に変わった明治維新。激変の時代だ。その変化に日本人がどのように対応していったかも知りたいし、西郷や大久保という人物も、その後の明治の元勲たちにも興味がある。激変の時代のいまにも通じる部分もあるかもしれない。