神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

迫りくる社会に対する不安

macky-jun2008-12-15

 今年も早くもあと半月である。仕事はあと二週間あまり。まだ一年を振り返るには早いので、後日に譲りたいが、大変な一年であったように思う。
 大変な一年である中味については、これまで至るところで、沢山書いてきたので、ここでは敢えて触れないことにする。仕事の上ではアゲンストの風が吹き続け、苦しかった。しかし、一年通して書き続けたブログの世界では、新たな人間関係や交流が生まれ、とても気持ちの良い世界を築き上げることができた。時に元気や勇気をもらい、何とかこうして逞しく生きている。金を使わずに、仲間と地味にではあるが遊んだ。その割には結構楽しめたし、今後の生き方の上でとても参考になる一年だった。いずれにしろ、50歳という区切りのいいハードルを潜ったのだ。
 これが仕事オンリーの生活だったらと思うと、空恐ろしい気がする。自助努力だけではどうにもならないマーケットの世界。マーケットを変えることはできない。まして、我々の世界はタイムラグのある世界で、既に3〜4年前にリスクを取っており、そう簡単に方向修正は効かない。鬱病になる人の気持ちも少しはわかった。フラフラとつい電車に飛び込んでしまう、そういうこともつい心の動きでありうると思った。一つの世界しかなかったら、そこでずっと思い悩まなければならなかった。自分の力ではどうにもならないのに、悩まなければならない。たぶん、世の中にはそういう人が多いのではないかと思った。
 前に書いた6/19「こんな社会でいいのか?年間自殺者3万人」。http://d.hatena.ne.jp/macky-jun/20080619 僕自身はこの記事を前々から問題意識を持っていて、大変な憤りを持って書いたのだった。嬉しいことに、いまだに多くの人から反響を頂いているが、何らこの問題は片付いていない。10年前の金融危機・企業倒産が続出したことから、年間自殺者が2万人→3万人に増えてしまい、ずっとそのまま継続しているのである。ちょうど、いまの経済情勢にとても似ているのである。今回の方が世界中が冷え込んでしまったので、もっと事態は深刻かもしれない。足元を見るに、あのソニーが正規社員8千人を含む16千人を解雇する。多くの企業で非正規雇用者の首が次々に切られている。学生内定者の取り消しが300人以上にも及んでいる。10年前の日本はここまでドライに人を切る社会ではなかった。欧米流か知らないが、人の情けもあったもんじゃない。雇用情勢がとても冷え込んでいる。非正規雇用者はいきなり社員寮を追い出され、住所も無くなることから、次の職にもありつけず、職がなければアパートも借りられず、この日々寒くなる冬に外に追い出され、ホームレスになっていく。実体経済に苦しみが及ぶのはこれからなので、これからじわじわと街に失業者が溢れていくのではないかと、とても危惧している。
 その時に雇用対策として、まずは職と住居の確保→生活の安定だろうが、併せて人生に敗北したと感じる人々への心のケアも大事であると思う。鬱病や自殺に繋がってしまう、とてもデリケートな問題である。自殺者をこれ以上増やしてはいけない。断じてならない。日頃から、仕事以外の生きがいや自分の大事な自信のある世界を築いていれば、例え、不況で不幸な目に会っても、何とか乗り切れるのではないかと思う。しかし、そのような余裕無く、一生懸命、武骨に、真面目に、家族のために働いてきた人達もいるはずだ。その人たちを何とか守ってほしいと願う。