神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

ポジションによって見える世界の違い

macky-jun2008-12-02

  昨晩も寝たのが遅かったせいか、眠くてたまらない。机に向うが、いつの間にか居眠りしており、妻に起こされた。思わず居眠りしてしまうなんて、幸せな証拠だろう。すっかり、緊張感なんて抜けてしまっている。そう言えば、先週から会社のPCが調子悪く、ネットが一切使えなくなってしまい、ネット上の作業をする時は、別の空いている机を転々としている。まさにジプシー生活を余儀なくされた訳である。我が社は4月の引っ越しで、全社員約90名が大きなワンフロアで仕事をしている。幾つかの島を形成しているが、窓際の奥の席は役員がズラーっと並んでいる。普段は我々投資第4部の面々は、その役員から遠い位置の、別天地(治外法権)のような場所にいる。しかし、先週は別の島に、今週は物静かな役員のOグループ長の前で、柱の陰の隠れ家のようなスポットで、専ら昨日のM法人部との打ち合わせの記録をPCで打っていた。何故か、集中して仕事ができ、はかどるのだった。順応性がいいのは、僕の特長でもある。ここは殆ど人通りのない住宅地のような場所。落ち着くわけだ。いつもの席は通用口に近い、人通りの多い商店街だ。まして、俺の席は大通りに面しており、とても落ち着けない場所だ。おちおちネットで気になる記事など見ていられない。誰かからすぐ突っ込まれそうである。
 自分のいるポジションに依り、見える景色や聴こえてくる音声も違うのだ。今日の席は管理部門の人達の席なので、我々投資営業の部門とはまた違うテーマで仕事をしており、雰囲気や仕事の進め方がまったく違うようだ。話している内容も無論違う。自分のポジションを変える、視点を変えることで、従来考えていた世界と違う世界が見えてくるという経験を身近なことでできた。とても、哲学的な、何かを啓示しているようだ。とてもいい体験だった。五感で感じるものが違う、ということをわずか数日であるが、知ることができた。また、この小さなオフィスの中にも、商店街のような賑やかな(というよりもうるさい)場所があること、路地に入ったほっとするような住宅地のような場所があることも知った。
 自分のポジションの置き方によって、人の見え方も違うし、自分の思考・行動さえ変わるのではないかと思えた。抽象的なポジションという概念ばかりでなく、具体的なポジションによっても、人間は変わるのではないかと思えた。ポジションという言葉が意味する”地位”ということで、役割は変わるし、権限も違う。地位というもので、勘違いして、偉そうに振舞ってしまうしまう人もいれば、そうでない人もいる。ポジションという言葉を”自分がいまいる位置づけ”、企業で言えば”業界内での位置づけ、順位、特色”として捉える場合もある。我々がプロフェッショナルな仕事をする上で、最も意識する言葉であり、期待される役割として意識する言葉でもある。
 常に自分を役職・地位とは違う意味でのポジションで、いい場所に置きたいと思うし、いまどのポジションにいて、何をすべきなのかということを常に意識していきたいと思う。それは仕事ばかりでなく、日々の生活、人生においても、今どのポジションに自分がいるのだろうか、ということを意識していくべきなのだろう。所詮、その各々のポジションでベストを尽くすことしか、我々にはできないことなのだろうと思う。
この絵は我々世代にはとても馴染のあるサンダーバード等のプラモデル箱の表紙絵を描いていた小松崎茂氏の「千住のお化け煙突」です。見るポジションによって、何本にも違って見えたようです。とても面白く、哲学的ですね。