神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

ポール・サミュエルソン博士、意気軒昂

macky-jun2008-10-29

 ”枯葉”を聴きながら、何故か琉球泡盛”久米仙”を飲み、書いている。実はこの”枯葉”は大学時代にFMからエアチェックしたもので、キャノンボール・アダレイから始まり、デューク・エリントン、ハリー・ジェームス、ジョージ・シアリングエロール・ガーナーバーブラ・ストライサンド・・・等錚々たるメンバーのJazzyな特集で、ジャンルの違うミュージシャンがひたすら”枯葉”をテーマに演奏する貴重な録音なのである。当時、金の無かった俺は(実は今も金が無いことに気がついた)、よくエアチェックやその頃始まった「貸しレコード屋」からLP盤を借りてきてはカセットデッキで録音して、というのを繰り返していた。だから、その頃録音したカセットが何百本も残っている(実は数えたことが無いので、正確に何本かは不明である)。中にはこの特集のようにとても入手不可能な素晴らしいものが残っている。不思議といまだにちゃんと再生できる。音の歪みも殆ど気にならない。
 日々、寒さが増していくこの季節、この”枯葉”の味のあるメロディーが実に体に、心に、染み渡るのだ。録音した大学生の頃ではわからなかった、酸いも甘いもわかった50歳になった今でこそ、また一段とわかる気がするのである。この物憂げなメロディー、当時分かる筈もなかったに違いない。少し長く生きて良かったと思うことの一つである。現実は厳しく迫ってくるけれど、後になって懐かしく振り返ることも出来るかも知れない。ただひたすら、日々を逃げずに一生懸命生きるのみである。
 先日の朝日新聞で、我々世代にとってはとっても懐かしい名前である、ポール・サミュエルソンMIT名誉教授が、「経済危機の行方-世界は-」という特集に登場されていた。1915年生まれだから、93歳。彼の著作「経済学」は経済学系の学生にとって、基本教科書であり、(読んでいるか別として)持っていない者はいない本であった。小生も一通り読んだことがある。分かりやすい表現で、実にすっと頭に入り易い文章である。小生も見習いたいスタイルの著作だった。この特集の記事も、サミュエルソン博士らしく極めて分かり易い内容であった。変わらないな、という印象で嬉しかった。
 かなり思い切った言い方をされ、小気味よかったが、93歳にもなるサミュエルソン博士には恐いものはもうあまりないのだろう。ブッシュ大統領は米国の歴史において最悪の大統領として名をとどめることになるだろう。とか、「悪魔的でフランケンシュタイン的怪物のような金融工学」が危機を深刻化させた。とか、SECに無能な人物を委員長として採用し、規制緩和をやり過ぎた。とか、歴代の経済政策の失敗を一刀両断に切り裂いている。今回の危機を規制緩和金融工学が元凶である、と総括している。
 それにしても、今日笑ってしまった夕刊の記事は「農林中金のトップの報酬が4100万円」で貰い過ぎだと、民主党が要求し、明らかになった。根拠としては、特殊法人独立行政法人と言われる天下り先のトップの平均報酬がそれぞれ2231万円、1838万円であり、それに比べ高額である、ということらしい。この国はどこまで社会主義なのかね〜と、呆れてしまう。米国投資銀行の数十億円という報酬にすれば、それ自体の是非は別として、可愛いものじゃないかよ、と言いたくなってしまいます。
 写真は昨日に続いて、クロッチです。