神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

黒ねこ クロッチのデビュー

macky-jun2008-10-28

  東京コンテンツマーケット2008という六本木ヒルズで行われた日本のクりエイターを集めたフェスティバルに行ってきた。以前、畑村洋太郎さん(工学院大学教授、元東大教授で失敗学の権威)の「失敗学」の講演会でたまたま出会った、筒井一郎さんというアートディレクターから、1年ぶりに電話があり、是非相談にのって欲しいと言われ、出かけて行ったのだった。
 彼はヌールエデザイン総合事務所という会社の社長。昔、ホンダにいて「人の死なないコンセプトカー」の研究をしており、その後、伝統工芸の美術鋳金家の下で職人経験をし、95年に当社を設立。97年「動物かんきょう会議」をテーマにし、キャラクターをベースに新たな仕掛けに着手する。目白という場をベースとした地域起こしの一画でもある、「目白バ・ロック音楽祭」を実行委員長として行なう。4回に渡り、全15会場で計72公演も演奏会やシンポジウム等を開催してきたという。
 この間、「動物かんきょう会議」を京都の地球温暖化会議ブースで立ち上げ、絵本として出版。全国学図書館協議会の選定図書となり、数ヶ国語に翻訳された。また、10年前から展開してきた「動物かんきょう会議」のキャラクターとは別に、純ジャパニーズ受けするアイドルとして、「黒ねこのクロッチ」を世に出すことにした。クロッチを紹介すると、都会に住みつくのら猫で、睨みの効いた眼力と首に巻いた真っ赤なスカーフがトレードマーク。単純でケンカっ早いクロっチはガラが悪くて、目つきが悪くて、行儀も悪い!(ここまで聞いて、とても誰かに似ているな〜と思った。俺のことか!)子猫の時に去勢をされてしまったせいで、内股歩きでお尻のあたりがふっくらしている。頭の回転速く、身体能力も抜群なクロッチは周囲から一目置かれる存在で、面倒見も良いが、シャイで人間に近付くとお洩らししてしまうという恥ずかしい秘密を持っている。フーテンの寅さんをイメージしたキャラらしい。奥さんで共同経営者でもある作家/クリエイティブディレクターの筒井公子さんもこの日会場におられた。クロッチの生みの親である。
 今後、このクロッチをキャラクターとして、ビジネス展開をしていきたい、と言われ、アドバイスを求められた。これまでのいくつかの展示会での評価は高く、現在、百貨店はじめ一業種一社とのアライアンス方針で、話し合いを始めたところだという。3分モノのアニメとしても27話まで創っているとのこと。まずは事業会社とのアライアンスの実績を地道に積み上げて、クロッチを世に出し、露出していくこと。そのうち、メディアの目にも止まるだろうから、アニメとしてストーリーを創っていくこと、をお話した。資金調達環境は斯様な経済環境でもあり、大変厳しいことも申し上げ、まずは人も増やさず、オフィスも拡大せずで、コストを厳しく管理して、事業面の実績を一つ一つ大事に積み上げていって欲しい旨、要望した。
 家に帰り、家族に見せたところ、クロッチは可愛いし、結構行けるのではないかとの妻の評価であった。娘は一方で、キャラクター文化で育ったせいもあり、とても辛口であった。息子は柔らかい評価をしていた。感性に基づくものなので、人それぞれの評価があるようだ。この激動の環境下、厳しく世を睨むクロッチのキャラが受ける時代が来るであろうか。僕としては個人的に応援してあげたいと思っている。